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広島・呉市では、地域ごとの神社で開かれる祭り「小祭り」が、3年ぶりに開かれました。祭りの主役にあこがれて、初めて参加する子どもたちも活躍しました。
【写真を見る】「やぶ」に憧れて 子どもたちも活躍 広島・呉市 地域ごとの「小祭り」
今月1日、3年ぶりに夜の街に姿を現わした「やぶ」…。鬼の面をかぶった「神の使い」です。
呉市で「やぶ」と呼ばれる鬼たちは、祭りの前になると市内の飲食店を練り歩き、邪気を払って商売繁盛を祈念します。
子ども
「こわい」
「かっこよかった」
店主
「感動ですね。やはり3年間なかったぶん、まとめてうれしいかぎりですよね」
先月夕方、太鼓や笛の練習をしているのは、呉市 和庄にある高日神社を氏子とする高日祭礼奉賛会の子どもたちです。
5歳の園児から高校生までが、3年ぶりに本格的な練習を始めました。しかし、感染防止のため、例年は1時間ほどの練習も10分短縮し、練習期間も1週間短くしました。
祭り本番でも密になることから、稚児と巫女の参加も控えることにしました。練習は、祭り本番まで続きます。
練習に参加する子どもたち
「全部、楽しいです」
ー 難しい所は、ありますか?
「きりしゃぎり(太鼓のたたき方)です」
「みんなで集まってできるのが楽しいです」
「本番に近づいて、みんな、いい意味で緊張感が出てきて、いいと思います」
指導責任者 高根宙さん
「3年ぶりっていうこともあって、子どもたちもたくさん集まってくれて、久しぶりなので、子どもたちも楽しそうに練習している姿を見て、コロナ対策を気を付けながらも開催できることに感謝しています」
まだまだ、たどたどしい様子で笛を吹いているのは、ことし、初めて祭りに参加する小学2年生の松元蒼生くんです。やぶにあこがれ、参加することにしました。
祭りに初参加 小2 松元蒼生くん
「太鼓は、めっちゃ厳しい」
ー 手は痛い?
「痛い」
帰宅したあとも段ボールを太鼓に見立てて、ペットボトルでたたきます。日々の練習に余念がありません。
3日、いよいよ、祭りの本番です。太鼓と笛の音に合わせて11匹のやぶと一緒に街を練り歩きながら高日神社を目指していきます。
蒼生くんも無事、太鼓デビューです。深く腰を落とし、力強く太鼓をたたいて、練習の成果を発揮していました。
神社に向かう道中では、ほかの地区のやぶと出会い、小競り合いが始まりました。
神社に到着すると、祭りの見どころ。新米を積んだ「俵みこし」の奉納です。秋の収穫にあわせて、やぶがコメを清めたり、精米したりする意味が込められているといいます。
俵みこしが鳥居をくぐり、境内に上がろうとすると、やぶが棒を使って何度も強く押し返します。俵みこしも負けずに掛け声とともに勢いをつけて突入していきます。
もみ合うこと2時間半以上。無事に俵みこしが奉納されました。
見物した人
「(祭りが)続いてほしい。呉は、祭りがないと」
参加した人
「今回、非常におもしろかったと思います」
「楽しかった。笛吹いたり、太鼓たたいたり、歩いたり」
高日神社 責任総代 新中郁夫さん
「本当にホッとしています。できたことにみなさんに感謝しています。新型コロナだから十分なことができなかったが、基本的なこと、祭りの所作を伝承できたのではないかと思っている」
やぶに邪気を払ってもらい、3年ぶりに活気が戻ってきた呉の秋祭りでした。
初めて参加した蒼生くんは…。
松元蒼生くん
ー 練習の成果は?
「よかった」
ー 来年は?
「やろうかなと思ってる」