第75回全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)県予選
10月30日 ダイハツ九州アリーナ
男子決勝 別府溝部学園 81-69 柳ケ浦
今大会も圧倒的な強さで勝ち進んだ別府溝部学園と柳ケ浦の決勝戦。第2クオーター(Q)までは互いに鉄壁のディフェンスで得点チャンスを与えず、溝部学園が32点、柳ケ浦が35点のロースコアで前半を折り返した。
溝部学園に流れが傾いたのが第3Q。力強いシュートブロックをきっかけに、会場の空気を溝部学園が味方につけた。立て続けに得点が決まりはじめ、大庭涼太郎(2年)の3点シュートなどで点差を広げた。第4Qで柳ケ浦の反撃に苦しむ展開が続いたが、「悪い流れを断ち切るためにコミュニケーションを意識した」とキャプテンの後藤有輝(3年)や石橋健人(同)を中心に声を掛け合うことで、ペースを乱すことなく最後まで走り抜けて、2年連続4度目の優勝を飾った。
「選手が自立したことと、ディフェンスの再構築が勝因」と伊藤滋監督。自立については、監督の指示がなくてもコートの中で話し合い、修正ができるようになったという。「タイムアウトを取れば具体的な指示が可能だが、相手にもチャンスを与えてしまうので敢えて取らなかった。流れを読み、試合の中で修正できる力が身に付いたのは大きい」(伊藤監督)。守備では選手それぞれが基本に立ち返り、「持たせない、抜かれない、パスもシュートもさせない」を徹底的に鍛え直した。
全国大会ではさらにレベルの高い試合が想定されるが、「強豪校に勝ってベスト8を目指す」と、この優勝で手応えをつかんだ様子の伊藤監督。ダークホースとして、全国に別府溝部学園の名をはせてくれるはずだ。
喜びの声!声!声!
後藤有輝(3年)
「何度も決勝で対戦してきた柳ケ浦に勝ててうれしい。これまでは相手の流れに引きずられてしまうこともがあったが、コートやベンチ、観客の声に耳を傾ける冷静さを忘れずに戦うことで、落ち着いてプレーできて良かった。常に前を向く姿勢を忘れず、全国でも良い結果を残したい」
石橋健人(3年)
「2年連続ウインターカップ出場を懸けた戦いに勝てて、ほっとしている。応援してくれる全ての人に恩返しをするためには、全国大会のコートに立つことが一番だと思って頑張った。ゲームキャプテンとして、精神面でチームを支えようと思ってプレーした。全国でも仲間を信じて、感動してもらえる試合をしたい」
大庭涼太郎(2年)
「最高の気分!前半は点差がつけられず、ずっとドキドキしながらプレーしていた。流れが悪い時間帯もきちんとコミュニケーションをとれたのが今回の勝因。後藤さんと石橋さんを中心に声を掛けてくれたことが力になった。全国ではベスト8以上を達成し、一つでも上に進めるように頑張りたい」
(黒木ゆか)