来年の大河ドラマ「どうする家康」の放映を契機に 神奈川・平塚市、看板商品開発へ

「平塚を徳川家康の聖地化プロジェクト」のキックオフミーティング=平塚市紅谷町

 来年1月にスタートするNHK大河ドラマ「どうする家康」の放映を契機に、徳川家康とゆかりのある神奈川県平塚市で地域活性化に向けたプロジェクトが発足された。市観光協会(同市紅谷町)が旗振り役となり、「平塚を徳川家康の聖地化」を掛け言葉に看板商品の開発を目指す。「家康弁当」をはじめ、美食・健康家の家康が愛飲した酢の再現など、食と健康を軸に中長期的に情報発信しながら観光客などを呼び込む狙いだ。

 東海道の宿場町だった平塚は徳川家康と縁が深い。1596年に造営された中原御殿は鷹狩りや巡察、駿府と江戸の往復で立ち寄った宿泊・休憩地に使用されたほか、軍事・政治的な役割も担ったとされる。

 家康が同御殿に滞在中、代官屋敷の成瀬重治が地場産の酢を献上。家康はこの「成瀬酢」を気に入り、江戸城にも定期的に献上された。平塚を拠点に江戸へと延びる中原街道が運搬に使われたことから、別名「お酢街道」とも呼ばれた。

 同プロジェクトは、観光庁の補助金を活用して同協会が実施。9日に行われたキックオフミーティングには月刊誌「歴史人」を発行するABCアーク(東京都港区)社員、市食堂連合の水嶋一耀代表取締役、醸造物を研究する東京農業大学の穂坂賢教授、江戸料理の再現や研究に携わる柳原料理教室(同)主宰の柳原尚之さんらが集まった。

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