〔国内〕2022年1月~9月の災害を振り返る

2022年の1月~9月に発生した国内の大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●1月
【自然災害】2021年末から2022年1月中旬にかけて強い冬型の気圧配置 北日本から北陸中心に大雪や強風の被害
[被害]死者14人 行方不明者1人 負傷者54人 一部損壊25軒
2021年末から2022年1月中旬にかけて、強い冬型の気圧配置が続き、北日本から西日本の日本海側では広い範囲で降雪や強風による被害が相次いだ。2021年12月25日から2022年1月1日にかけては、北海道や東北、北陸にかけて降雪が続き、新潟県を中心に各地で期間中の積雪が200cmを超えた。また、北海道から北陸や、太平洋側の伊豆半島や伊豆諸島でも25m/sを超える強風を観測した。一連の雪や強風により、雪下ろし中の転落による死亡事故をはじめ、各地で転倒によるけがや車の立往生が相次いだ。
1月11日から15日頃にかけて北海道を中心に大雪や強風が続いた。北海道では建物からの落雪や除雪中の事故で9人が死亡したほか、雪の重みで建物の屋根がつぶれるなどの被害が発生した。この他、山形県では列車が、富山県では大型トラックが立往生した。

【自然災害】日向灘を震源とするM6.6の地震発生、大分県・宮崎県で最大震度5強を観測
[被害]負傷者7人
2022年1月22日01:08頃、日向灘を震源とするM6.6の地震が発生し、大分県と宮崎県で最大震度5強の揺れを観測した。この地震で、山口県と九州各地で避難中の転倒が相次ぎ、7人が負傷した。大分市では水道管の破裂が原因とみられるマンホールから道路への漏水が発生した。また、宮崎県延岡市では街灯の破損も確認された。

【事件】ふじみ野市の住宅で立てこもり事件 立てこもった男の身柄確保
[被害]死者1人 負傷者1人
2022年1月27日21:00頃、埼玉県ふじみ野市で猟銃を持った男が医師の男性を人質に立てこもった。翌28日朝、警察が突入し男の身柄を確保したが、人質の男性医師は死亡していた。また、男が立てこもる直前に逃げた理学療法士1人も負傷した。現場は犯人の男の自宅で、その後の調べにより男は最近亡くした母親の治療を巡って病院側に繰り返し苦情を申し立てるなどトラブルになっていたと判明した。

【事故】航空自衛隊の戦闘機が小松基地離陸後に日本海で墜落
[被害]死者2人
2022年1月31日17:30頃、石川県の航空自衛隊小松基地所属のF15戦闘機1機の機影が、基地離陸直後に日本海上空で消えた。F15機には2人が乗っていたが、2月11日と13日に基地から5kmの海域で相次いで遺体が見つかった。6月2日、防衛省は事故原因について発表し、乗っていた2人が平衡感覚を失う空間識失調に陥り墜落したとした。

●2月
【自然災害】御嶽山と阿蘇山で噴火警戒レベルの引き上げ続く
2022年2月23日16:35、気象庁は長野県と岐阜県にまたがる御嶽山の噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引上げる噴火警報(火口周辺)を発表し、御嶽山の剣ヶ峰南西斜面の79-7火口から概ね1kmの範囲で大きな噴石への警戒を呼びかけた。御嶽山では、23日14:15頃から火山性地震の増加し、14:19頃には火山性微動とともに、山頂付近に設置された二ノ池北傾斜計で南側(地獄谷側)が隆起する変化がみられていた。
翌24日09:45、気象庁は熊本県の阿蘇山で噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引上げる噴火警報(火口周辺)を発表し、中岳第一火口から概ね2kmの範囲で噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒するよう呼びかけた。阿蘇山では、24日05:00頃から火山性微動の振幅が大きくなり、09:00過ぎからはさらに振幅が大きくなって変動を繰り返していた。
その後、阿蘇山は2022年4月15日11:00に、御嶽山も2022年6月23日14:00にそれぞれ警報解除が発表され、両山とも噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)に引き下げられた。

●3月
【事故】宮崎県延岡市の旭化成グループのカヤク・ジャパン東海工場で爆発事故
[被害]死者1人 負傷者1人
2022年3月1日、宮崎県延岡市の旭化成東海工場内にあるグループ会社「カヤク・ジャパン」で爆発が発生した。この事故で従業員1人が負傷、1人が行方不明となった。行方不明だった従業員は15日に現場付近で身体の一部が発見され、死亡が確認された。現場はニトログリセリンを製造する建屋で、爆発の衝撃により建屋が吹き飛んでいた。

【地震】福島県沖でM7.4、宮城県・福島県で最大震度6強を観測
[被害]死者21人 負傷者232人 半壊1軒 一部損傷185軒
2022年3月16日23:36頃、福島県沖を震源とするM7.4の地震が発生し、宮城県と福島県で震度6強の揺れを観測した。この地震に伴い宮城県と福島県の沿岸部に津波注意報が一時発令された。この地震で、転倒や家具の下敷きになるなどして21人が死亡、232人が負傷した。また、白石蔵王駅付近を走行中の東北新幹線「やまびこ223号」の17両編成のうち16両が地震の揺れにより脱線したほか、福島県や宮城県を中心に高架橋や架線柱などの線路設備に深刻な被害が生じ、全線での運転再開まで1か月近くを要した。

●4月
【地震】福島県中通りを震源とする地震発生、茨城県城里町で震度5弱を観測
2022年4月19日08:16頃、福島県中通りを震源とするM4.5の地震が発生し、茨城県城里町で震度5弱の揺れを観測した。この地震の影響で、一時茨城県内を走る常磐線と水郡線でダイヤが乱れたが、死者・負傷者や建物の倒壊など目立った被害は無かった。茨城県と福島県内の原子力関連施設にも異常はなかった。

【事故】知床半島の沖合で26人が乗った観光船が浸水
[被害]死者20人 行方不明6人
2022年4月23日13:15頃、北海道斜里郡斜里町の知床半島にある「カシュニの滝」付近の海域で、観光船「KAZUI」が浸水する事故が発生した。観光船には26人が乗っており、うち10人が翌日発見されたが、全員が死亡していた。その後も海上保安庁や漁業関係者らによる捜索が続けられ、事故から半年経った10月23日までにさらに10人の遺体が発見されたが、依然として6人が行方不明となっている。この事故では、観光船を運航する会社の体制や人員の不備などが指摘され、国土交通省による小型船舶による旅客輸送の安全対策の検討が進められている。

●5月
【地震】茨城県南部を震源とする地震発生 茨城県・栃木県・群馬県で震度4を観測
2022年5月5日18:42頃、茨城県南部を震源とするM4.8の地震が発生し、茨城県筑西市、栃木県宇都宮市・足利市・佐野市・鹿沼市・下野市・高根沢町、群馬県桐生市・大泉町で震度4の揺れを観測した。この地震で死者・負傷者や住宅の損壊などの被害は発生しなかったが、栃木県を中心とした北関東でJR、私鉄の運行が一時乱れた。

【停電】横浜市青葉区などの広域で約6万9000軒が停電
[被害]停電約6万9000軒
2022年5月13日22:26頃、横浜市青葉区を中心に広域で停電が発生した。横浜市青葉区では一時約6万2480軒が停電し、都筑区、緑区、川崎市麻生区、東京都町田市でも一部地域で停電となった。最大で約6万9000軒が停電したが、順次復旧作業が進められ、14日05:40頃までに全域で復旧した。この停電の影響で、小田急多摩線の全区間と小田原線の一部区間で、14日05:00過ぎまで運転を見合わせた。東京電力によると、川崎市が発注した水道工事中に地中の送電線を損傷させたことが原因だった。

【大雨】沖縄県宮古島地方で大雨・突風が発生
[被害]停電約1万4000軒
2022年5月28日、梅雨前線の影響で大気の状態が非常に不安定となった影響で、沖縄県宮古島地方では猛烈な雨が降り、突風も発生した。宮古島市では、レーダー解析で28日06:50までの1時間に120mm以上の猛烈な雨が降ったとして記録的短時間大雨情報が発表され、市内では道路冠水が相次いだ。また、06:30過ぎには宮古島市平良地区で突風が発生し、トレーラーハウスが全壊するなどの被害があったほか、市内の約1万4000軒で停電も発生した。その後、地元気象台による調査で、この突風は竜巻の可能性が高いと判断された。

●6月
【事故】群馬県富岡市の上信越道でバスと乗用車の関係する事故が短時間で相次いで発生
[被害]負傷者21人
2022年6月2日09:55頃、群馬県富岡市の上信越自動車道の下り線で、路線バスと乗用車2台の計3台が関係する事故が発生し、乗用車のうち1台に乗っていた2人が負傷した。その約30分後、1件目の事故現場から約100m先の地点で、観光バス2台と乗用車が関係する事故が再度発生した。この事故では観光バスに乗っていた小学生18人と教諭1人が負傷した。現場では1件目の事故処理が行われており、負傷者を搬送する救急車が出発しようとした際、停止した乗用車と観光バスに後続の観光バスが追突したことで2件目の事故が発生した。なお、一連の事故の負傷者はいずれも軽症だった。

【地震】石川県能登地方を震源とするM5クラスの地震が2回相次ぐ
[被害]壁崩壊などの物的被害、珠洲市内で漏水
2022年6月19日15:08頃、石川県能登地方を震源とするM5.4の地震が発生し、石川県珠洲市で最大震度6弱の揺れを観測した。この地震で人的被害は発生しなかったが、神社の鳥居が倒壊するなどの被害が発生したほか、漏水の通報が相次いだ。
また、翌20日10:31頃には、同じく石川県能登地方を震源とするM5.0の地震が発生し、珠洲市で最大震度5強を観測した。この震源域では2020年12月頃から地震活動が活発になっており、2020年12月1日から2022年6月26日までに震度1以上の地震が180回発生している。気象庁は、当面は同程度の地震活動が継続すると考えられるとして、注意を呼びかけている。

【ライフライン】東京電力管内に初の「電力需給ひっ迫注意報」発令
2022年6月26日、経済産業省・資源エネルギー庁は東京電力管内に運用開始後初となる「電力需給ひっ迫注意報」を発令し、利用者に対し可能な範囲での節電への協力を呼びかけた。
今年は広い範囲で梅雨明けの発表が早まって6月下旬から猛暑に見舞われたが、特に関東地方では東京都心で6月25日から7月3日までの9日間連続で最高気温35℃以上の猛暑日となるなど記録的な暑さとなり、この時期としては異例の電力需要の高さとなった。
東京電力管内でも、補修点検などで停止していた火力発電所の早期復旧や他の電力会社からの融通などの措置を取ったものの、太陽光発電量の減少する夕方頃を中心に電力供給の余力である「予備率」が5%を下回ると見込まれると予想されたため、「電力需給ひっ迫注意報」の発表となった。
なお、節電への協力や補修点検中の火力発電所の復旧などにより、電力需給の安定化が見込まれたことから、「電力需給ひっ迫注意報」は6月30日18:00に解除された。

●7月
【台風】台風4号九州に上陸 高知県西部では線状降水帯が発生
[被害]負傷者1人 一部損壊家屋4軒 浸水家屋111軒
2022年7月1日09:00、日本の南で台風4号が発生した。台風は沖縄・奄美地方を北上し、5日06:00前に長崎県佐世保市付近に上陸。その後、同日09:00に温帯低気圧に変わった。
この台風に伴う南からの湿った空気で雨雲が活発化し、上陸に先立つ5日00:39には、高知県西部に「顕著な大雨に関する気象情報(線状降水帯の発生)」が発表されたほか、四国や近畿地方を中心に各地で記録的な大雨となり、家屋の浸水や土砂崩れなどの被害が相次いで発生した。

【自然災害】断続的に停滞した前線の影響により全国の広い範囲で記録的な大雨を観測
[被害]死者1人 負傷者2人 家屋全半壊136軒 一部損壊13軒 床上床下浸水1423軒
2022年7月14日前後から下旬にかけ、日本付近に断続的に前線が停滞した。また、南から暖かく湿った空気が流れ込み、記録的な大雨が全国各地で観測された。
15日には九州地方に対して、今年6月に運用開始してから初めて線状降水帯の可能性に言及した予測となる気象情報が発表され、さらに18日夜から19日朝にかけては、九州北部地方と山口県で4つの線状降水帯が発生した。
この大雨で河川の大幅な増水や氾濫も相次ぎ、多くの家屋にも被害も発生した。特に宮城県では、100軒以上で住宅の全半壊、約1500軒以上で床上・床下浸水の被害が報告された。滋賀県では20日に冠水した地下歩道で1人の死亡が確認されるなど、人的被害も発生した。

【火山】桜島で爆発的な噴火 噴火警戒レベル5(避難)に一時引き上げ
2022年7月24日20:05、鹿児島県の桜島・南岳山頂火口で爆発的噴火が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から約2.5kmまで達した。
この噴火に伴い、気象庁は同日20:50、桜島に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを最も高い5(避難)に引き上げた。これに伴い、居住地域への大きな噴石の飛散が予想される範囲内の鹿児島市の桜島地域の一部に避難指示が発令された。
現行の噴火警戒レベルの運用開始以降、「レベル5」が発表されたのは2015年5月の鹿児島県口永良部島での噴火以来で2例目、桜島に関連するものとしては初めての発表となった。
桜島における噴火警戒レベル5(避難)発表の基準は大きく分けて、(1)全島に影響する溶岩流・火砕流・大きな噴石の飛散、(2)島内の居住地域に大きな噴石が飛散の2つがある。今回の噴火警戒レベルの引き上げは、(2)の基準に基づいて行われた。
結果的にはこの噴火での人的・物的被害はなく、その後も居住地域に影響を及ぼす噴火が発生しなかった。そのため、レベル5の発表から約3日後の27日20:00、気象庁は噴火警戒レベルをレベル3(入山規制)に引き下げ、避難指示も解除された。

●8月
【大雨】東北・北陸地方で断続的に大雨、初の線状降水帯発生も
[被害]死者2人 行方不明者1人 負傷者9人 全壊28軒 半壊586軒以上 一部損壊344軒以上 床上・床下浸水6784軒以上
2022年8月3日頃から中旬にかけて、東北・北陸地方の日本海側に前線が停滞した。前線に向かって湿った空気が流れ込み、主に東北地方・北陸地方では断続的に猛烈な雨が降り、東北地方と北陸地方で初となる線状降水帯が発生、山形県と新潟県では一時大雨特別警報が発表された。
この大雨の影響で、東北から北陸の広い範囲で道路や鉄道の寸断、孤立などの被害が発生した。特に新潟県村上市と隣接する関川村では、村内の観測所で4日未明に1時間あたり149mmという猛烈な雨が降り、4日0時から3時までの3時間雨量でも300mm以上に達した。 これにより、村内では広い範囲で家屋の損壊や浸水、断水等が発生した。また、9日にも青森県津軽地方や秋田県北部を中心に北日本で強い雨や激しい雨が降り続き、一部の地域で「緊急安全確保」が発令された。また、この大雨でも青森県では家屋の全半壊が400軒以上になったことをはじめ、青森や秋田、岩手県を中心に家屋の損壊や浸水による被害、鉄道の寸断などの被害が相次いだ。

【地震】北海道上川地方北部を震源としたM5クラスの地震が2回相次ぐ
[被害]中川町内で水道管破損
2022年8月11日00:35頃、北海道上川地方北部を震源とするM5.2の地震が発生し、北海道中川町で最大震度5弱の揺れを観測した。そのわずか18分後の00:53頃には、同じく上川地方北部を震源とするM5.4の地震が発生し、先ほどの地震でも最も揺れが強かった中川町で最大震度5強を観測した。相次ぐ強い揺れ00:35頃の地震以降、およそ2時間のうちに同震源域で震度1以上の地震が12回、震度4以上の地震は3回発生するなど、強い揺れを感じる地震を含めて短時間で地震が相次いだ。
一連の地震により、中川町では住宅の水道管が破損した。
なお、当初の発表で震源は北海道宗谷地方北部とされていたが、後日、上川地方北部に修正された。

【事故】名古屋市北区の名古屋高速道路で路線バスが横転・炎上
[被害]死者2人 負傷者7人
2022年8月22日10:00過ぎ、愛知県名古屋市北区の名古屋高速道路11号小牧線の豊山南出口付近で、名古屋市内中心部から県営名古屋空港に向かっていた路線バスが分離帯に衝突し横転・炎上、さらに後続の乗用車も巻き込まれて炎上する事故が発生した。この事故で、バスの運転手と乗客のあわせて2人が死亡し、7人が負傷した。詳しい事故原因については調査が進められている。
なお、報道によると、運転士は事故前の数ヶ月にわたり、国の基準を超過する長時間勤務を繰り返していた。特に事故を起こした名古屋駅から名古屋空港を結ぶ路線については、1日に10往復程度行う、1日16時間を超える勤務を月に複数回、2ヶ月以上行っていた。中部運輸局ではバスの運行事業者に対し、行政処分を行う方向で検討を進めている。

●9月
【事故】山口県下関市で建物倒壊
[被害]死者1人 車7台損傷
2022年9月7日13:15頃、山口県下関市一の宮卸本町の雑貨卸売業「辻豊」の倉庫で、道路上に張り出した庇と建物2階が崩れ、駐車中の車7台が巻き込まれた。7台のうち3台の車内に3人がおり、うち1人が死亡した。事故現場は、約50年前に造成された卸問屋の団地で、倒壊した建物は以前から老朽化して雨漏りなどが発生しており、修理や建て替えの検討も行われていた。

【自然災害】台風14号が列島縦断
[被害]死者5人 負傷者151人 家屋損壊854軒 床上床下浸水1419軒
2022年9月14日、小笠原近海で発生した台風14号は、大型で非常に強い勢力で18日に鹿児島市付近に上陸した。その後、列島のほぼ全域を強風域に巻き込みながら日本海へ抜け、北東へ進むと、新潟市付近から再上陸し、20日09:00に日本の東で温帯低気圧に変わった。
17日21:40から19日にかけて鹿児島県に暴風・高潮・波浪特別警報が発令され、鹿児島県屋久島では最大瞬間風速50.9m/sを観測した。18日15:11から19日午前にかけては、宮崎県に大雨特別警報が発表され、19日午前までの24時間降水量を宮崎県えびの市えびので726.0mm、美郷町新門で712.5mmを観測した。また、宮崎県美郷町新門では15日00:00から21日06:00の期間降水量で985.0mmを観測した。宮崎県では土砂崩れが35件発生し、その影響を受けて断水や通信障害も相次いで発生した。

【自然災害】台風15号の影響で静岡県を中心に大雨を観測
[被害]死者2人 行方不明者1人 負傷者6人 損壊家屋64軒 浸水家屋4425軒
2022年9月23日から翌24日にかけて、台風15号の接近によって東海地方を中心に記録的な大雨となり、特に静岡県では多くの家屋に浸水被害があったほか、停電や断水の影響も広い範囲に及んだ。
台風15号は、9月23日に室戸岬の南約300kmの海上で発生した後、紀伊半島沖を北東に進み、9月24日09:00に東海道沖で温帯低気圧に変わった。中心付近の最大風速は18m/sと台風の基準をわずかに上回る程度で風の影響はほとんどなかったが、台風の北側の発達した雨雲が長時間にわたってかかり続けた愛知県と静岡県では線状降水帯が発生し、猛烈な雨が降り続いた。静岡県には記録的短時間大雨情報が計16回発表され、静岡市では24時間降水量が平年の9月1か月分の約1.5倍にあたる416.5mmに達する記録的な大雨となった。
大雨の被害は静岡県に集中し、4000軒以上の家屋が床上・床下浸水したほか、ライフラインへの被害も深刻で、停電は県内で最大約12万軒、断水は静岡市清水区で最大6万3000軒にのぼるなど、市民生活にも大きな影響が生じた。また、東海道新幹線が静岡県内での大雨のため、9月23日は運転を打ち切り、全線での運転再開が翌24日正午頃となるなど、連休を過ごす人々の移動にも大きな影響がでた。

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