〔国内〕2022年10月の災害を振り返る

2022年10月に発生した国内での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●10月
【安全保障】北朝鮮が弾道ミサイルを発射 青森県上空を通過 一部で情報の誤りも
[被害]なし
2022年10月4日07:22頃、北朝鮮内陸部から東の方向へ弾道ミサイルが発射された。このミサイルは青森県の上空を通過後、07:44頃に太平洋上の日本のEEZに落下したものとみられる。発射直後の07:27、政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じて北海道と東京都の伊豆諸島・小笠原諸島に国民保護情報を発出した後、青森県と伊豆諸島・小笠原諸島に再度発出したが、このうち伊豆諸島と小笠原諸島に関しては誤って発出したと直後に判明した。発射を受けて、青森県庁と北海道庁では情報収集に当たったが、被害はなかった。

【事故】富士山麓の下り坂で観光バスが横転
[被害]死者1人 負傷者26人
2022年10月13日11:50頃、静岡県小山町須走の県道「ふじあざみライン」で観光バスが横転する事故が発生した。乗客乗員36人のうち、乗客1人が死亡、26人が負傷した。
事故が発生したのは富士山五合目から市街地方面へ向かう下り坂で、フットブレーキの踏みすぎによってブレーキがきかなくなる「フェード現象」が発生したことで制御が効かなくなったとみられている。ドライブレコーダーなどの記録からも、制限速度30kmを大幅に上回る時速約90kmで道路脇ののり面に衝突し横転したことが明らかになった。

【自然災害】金沢市で突風被害
[被害]家屋一部損壊20軒
2022年10月23日13:20頃、石川県金沢市の金沢港近くで突風が相次いで発生し、工場の屋根がはがれたりコンテナが横転するなどの被害が発生し、一部損壊した家屋は20軒に及んだ。
金沢地方気象台の現地調査によると、金沢市大野町から近岡町にかけて発生した突風は、移動する渦を撮影した映像が得られたことなどから竜巻と認められた。一方、金沢市金石北で発生した突風は、被害や痕跡、聞き取り調査からは被害をもたらした現象を特定することはできなかった。これらの突風の強さは風速約30~35m/sと推定され、被害の大きさから竜巻の強さを評定する尺度である日本版改良藤田スケールでは最も低いJEF0に該当する。
当時、北陸地方では寒冷前線が通過しており、大気の状態が非常に不安定となっていた。この突風の発生に先立ち、金沢市を含む石川県加賀には竜巻注意情報が発表されていたが、この突風の発生・被害を受けて、さらに目撃情報による竜巻注意情報も発表された。

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