廃校活用施設にゲストハウス 100人超宿泊 活性化へ一役 長崎・対馬

家族連れやグループで利用できるゲストハウスの個室=対馬市、「ふるさとづくり『佐護笑楽校』」

 長崎県対馬市上県町佐護北里の交流拠点施設「ふるさとづくり『佐護笑楽校(さごしょうがっこう)』」内に8月、ゲストハウス「さごんヴィレッジ」がオープンした。これまで県外の大学合宿などに利用され、過疎化が進む地域の活性化に一役買っている。

 地元の非営利型株式会社「対馬地球大学」(高野清華社長)が運営する佐護笑楽校は、旧市立佐護小の廃校舎を改修し、昨春完成。同年6月には2階の旧音楽室で食堂「さごんキッチン」がオープンし、地元産の食材を使ったランチや弁当を提供している。
 ゲストハウス開設は、佐護地区での滞在を促進し、交流人口を拡大する狙い。2階の旧教室や図書室にリノベーションを施し、2段ベッドのドミトリー(男女1部屋ずつ、各定員8人)と、家族連れやグループで利用できる個室1部屋(定員4、5人)の計3部屋を整備した。シャワー室やランドリー室も用意し、中長期滞在にも対応した。
 佐護笑楽校では、地元の農林漁業者などから技や知恵を学ぶ体験プログラムも提供。ゲストハウスはオープン以降、プログラムを受講した県外の大学生や観光客ら延べ約100人以上が宿泊した。
 同社は佐護笑楽校を拠点に、オンライン講義や現地実習で学ぶ教育機関「対馬地球大学」の開校を準備している。当初は9月の開校予定だったが、来年度に延期した。ゲストハウスの一部は教育機関の「学生寮」としても活用する。
 高野社長は「ゲストハウスに島内外からさまざまな世代が集まり、佐護地区の魅力に触れられる場所にしたい」と話す。宿泊料はドミトリーが1泊4400円、個室が1人6600円、2人以上の利用で1人あたり5500円。島民、学生割引がある。予約は佐護笑楽校(電090.8576.5024)。


© 株式会社長崎新聞社