鳥インフルエンザとは…人間に感染するのか 高病原性と低病原性ウイルスの違いは、殺処分の対象は

農場の入り口に消毒用の消石灰をまく養鶏農家=福井県坂井市内

Q 10月に福井県南越前町で見つかった野生のハヤブサの死骸から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと福井県が発表した。高病原性ってどういう意味?

A 鳥インフルエンザは海外から渡り鳥が飛来する10月ごろから翌年5月ごろが感染のシーズンだ。ウイルスが症状を悪化させる力の強さで「高病原性」や「低病原性」などに分かれる。高病原性のウイルスに感染すると、全身に症状が出て致死率が高く、鶏舎などで広がると大量死する。低病原性は、軽い呼吸器症状や産卵率の低下にとどまり、無症状の場合もある。

Q 福井県内でこれまでに発生したことは?

A 県によると、野鳥のふんから低病原性が見つかった例はある。高病原性は今回が初めてだった。

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Q 養鶏場で見つかるとどうなるの?

A まん延防止のため、家畜伝染病予防法に基づき、発生した養鶏場の鳥は全て殺処分される。高病原性に変わる可能性があるため、低病原性が確認された場合も殺処分となる。2021年シーズンは12道県で189万羽、20年は18県で987万羽が殺処分された。

 県内では現在、養鶏施設29カ所で計約82万羽が飼育されている。農家は、靴やタイヤに付いたウイルスが入り込まないように消毒用の消石灰を鶏舎の周囲にまいたり、野鳥や小動物の侵入を防ぐネットや囲いを設けたりして対策を徹底しているよ。

 Q 鳥インフルエンザは人間に感染するの?

 A 環境省などによると、感染した鳥との濃密な接触など特殊な場合を除いて、ウイルスは通常、人には感染しないと考えられている。卵や鶏肉を食べることで人間に感染した例は報告されていない。日常生活で鳥の排せつ物などに触れた後は、手洗いとうがいをすればむやみに心配する必要はないとして、冷静な行動を呼びかけているよ。

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