ハラスメント調査「特別防衛監察」 対象外と誤解、新入隊員に資料配らず 海自佐世保教育隊

 防衛省が全自衛隊や防衛省職員らを対象に9月から実施しているハラスメント行為に適切な対応をしているか調査する「特別防衛監察」を巡り、海上自衛隊佐世保教育隊が10月初旬に入隊した新入隊員に関係資料を配布していなかったことが12日までに分かった。
 「特別防衛監察」は、全自衛隊員らに説明資料を配布し、相談したのに適切に対応されていなければメールなどで申し出を受け付ける仕組み。期限は11月末となっている。海自は今回、長崎新聞社の取材を受け未配布だったことを把握。11日に配布を完了したという。他の部隊については「配布した」と説明した。
 同教育隊には10月初旬に三十数人が入隊。海自は「10月入隊者は対象に入らないと担当者が誤解していた」と説明。「抜けがあったことを真摯(しんし)に受け止めている」などと回答した。
 「特別防衛監察」は元陸上自衛官が訓練中の性被害を訴え調査を求めたことなどを踏まえ、抜本的な防止対策の必要があると判断して開始された。同教育隊の新入隊員の一人は、実施の目的と矛盾した対応だと訴え「怒りを通り越してあきれる。軽くみられているのだろうか」と話した。


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