玄海原発事故を想定し訓練 避難手順など確認 松浦

避難訓練で放射性物質の測定を受ける住民=松浦市立武道館

 長崎県と松浦市は12日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)での原子力災害を想定した防災訓練を実施。関係機関との連携による住民の避難や広報の手順などを確認した。
 同市は全域が玄海原発から30キロ圏内にある。県は先月29日に国や佐賀、福岡両県などと共同で原子力防災訓練を実施したが、同市は日程が合わずに別日となった。
 訓練は、地震で原発の炉心冷却機能がストップし放射性物質が外に漏れたと想定した。市役所に友田吉泰市長を本部長とする市災害対策本部を設置。防災行政無線や緊急速報メールで市民に状況を伝えた。黒島や青島、飛島の住民は、それぞれ島内の公民館や学校、放射線防護施設に退避した。
 原発に最も近い鷹島からは住民24人、隣の福島からは同22人がバスに分乗し、市中心部の市立武道館に避難。鷹島の住民は受付登録や問診、福島の住民は放射性物質を測定するスクリーニングを受けた。
 参加した鷹島町原免の畜産業、稲本裕さん(27)は「万一(原発)事故が起きた場合、消防団員として住民の避難誘導に当たることになるので避難手順を知る良い経験になった」と話した。

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