第75回全日本バレーボール高校選手権大会(春の高校バレー)県予選
11月13日 ダイハツ九州アリーナ
男子決勝 大分工業3-1大分南
18チームが参加した、男子の春の高校バレー県予選。頂点を決める最後の舞台に駒を進めたのは、前大会覇者の大分工業と、今夏の全国高校総体に出場した大分南だった。準決勝からの1週間、最高の準備を整えてコートに立った。
互いに序盤は緊張でミスが目立ったが、大崩れしなかった。大分工業は、悪い流れを断ち切ることができなかったが、「どうにか我慢して耐えることができた」と江崎裕之監督。「難しい体勢からのスパイクは打たず、無理せず相手に返してブロックを整えて守備からリズムを作った」。第1セットは終盤までリードされる展開となったが粘り勝ちで先取する。
追いつかれた第3セットは、要所でミドル攻撃が決まり、再びリードする。勝負をかけた第4セットでは、ここまでチームを引っ張った相良琉翔(3年)が、足がつってコートアウトを余儀なくされたが、チームに焦りはなかった。「今年のチームは『3年生力』が高いチーム。誰が出ても戦力は落ちない」と言い切る江崎監督がコートに送り出したのが居村龍世(同)だった。肩の負傷で半年間リハビリを続け、大会前からようやくスパイクを打てるようになった居村に大役を託した。
「緊張も不安もあったけど、これまでチームに迷惑をかけた分、自分が試合を決めてやるという思いでコートに入った」と居村。交代直後に連続スパイクを決める強心臓ぶりを発揮すると、その後もスパイク、ブロックで得点する。勢いに乗ったチームは試合の流れを手放すことなく、歓喜の瞬間を迎えた。3年生の勝ちたい思いが強かった大分工業が連覇を達成。通算30回目の栄冠を勝ち取った。
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喜びの声!声!声!
相良琉翔(3年)
「1セット目から相手のマークが厳しかったが、ブロックを見て、力を抜いてコースを狙った。4セット目の序盤で試合に出られなくなったが、みんなを信じていた。勝った瞬間は本当にうれしかった。全国では高さに勝るレシーブ力で勝ち上がりたい」
首藤大希(3年)
「後輩を全国に連れて行けるのが何よりもうれしい。個人的には今までより緊張せずにプレーできた。攻守で安定して、決めるべきところで決めることができた。今年は3年生の雰囲気作りがよく、全国もこの調子で行きたい」
居村龍世(3年)
「コンディションは万全ではなかったが、最初のブロックアウトで不安はなくなった。リハビリの間は試合に出たくてウズウズしていた。春の高校バレーは3年生にとって最後の大会となるので、3年生力を存分に発揮して勝ちたい」
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(柚野真也)