用水路転落の車から運転手救出 トライアスロン経験者の山内さん

救助活動の様子を振り返る山内さん(右)=岡山西署

 用水路に転落した車を目撃した岡山市北区の会社員山内義輝さん(51)が、トライアスロンで鍛えた体力を生かし、水に飛び込んで運転手を救出した。危険を顧みず人命救助したとして岡山西署は15日、感謝状を贈って勇気ある行動をたたえた。

 6日午前、ランニング中の山内さんが同今岡の用水路(水深約2メートル、幅約14メートル)に沈む軽トラックと窓から逃げようとしている60代男性を発見。「とにかく浮く物を」と、近くにあった容器を浮き代わりに投げ込んだ。「自然に体が動いた」と自身も入り、車の屋根に男性を引き上げた。救急隊の到着まで励まし続け、2人ともけがはなかった。

 トライアスロンの200キロ種目で全日本大会に出場経験があり、毎日トレーニングしている。競技では海を泳ぐため「水に慣れており、落ち着いて行動できた」と振り返る。

 同署で杉田龍弥副署長が「迅速で勇敢な行動に敬意を表する」と感謝状を手渡した。山内さんは「今から思うと危険だったかもしれないが無我夢中だった」と話した。

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