「逆木のイチョウ」黄葉鮮やかに 久米南・誕生寺、深まる秋彩る

鮮やかに色づいた誕生寺の「逆木のイチョウ」

 浄土宗の開祖・法然上人の生誕地とされる岡山県久米南町里方の誕生寺で、町天然記念物「逆木(さかき)のイチョウ」の黄葉が鮮やかさを増している。穏やかな日差しの下、華やかに彩られた境内で、参拝客らが秋の深まりを楽しんでいる。

 高さ約10メートル、幹回りは約4メートル。根が張るように大きく広がった枝ぶりから「逆木」と呼ばれる。平安時代末、少年期の法然が比叡山に向かう際、つえにしていたイチョウの枝を地面に挿したものが根付いた―と伝わる。

 誕生寺によると、今秋は日中暖かい日が多いことや少雨の影響で、例年より2週間ほど色づきが遅れているという。今週末に見頃を迎え、今月いっぱい楽しめる見込み。

 夫婦で訪れた男性(73)=大阪市=は「横に広がった枝ぶりは迫力がある。手入れも行き届き、大切にされてきたのがよく分かる」と見上げていた。

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