存続へ1万9千超の署名提出 那須特別支援学校の寄宿舎巡り保護者ら

署名を提出する在校生保護者(右から2人目)手前は署名簿のファイル=15日午後、県庁南別館

 那須特別支援学校の寄宿舎を本年度末で閉舎する栃木県教委の決定を巡り、反対する保護者らでつくる「存続を求める会」は15日、1万9455人分の署名を福田富一(ふくだとみかず)知事と阿久澤真理(あくさわしんり)教育長宛てに提出した。

 保護者ら10人が県内外から集まったファイル15冊分の署名を携え、県教委事務局を訪問。在校生保護者が玉田敦子(たまだあつこ)特別支援教育室長に手渡した。中村千浩(なかむらちひろ)教育次長が立ち会った。

 同校高等部2年の次男(16)が昨年度、寄宿舎を利用していた菅原(すがわら)ひとみさん(52)=那須塩原市=は「丁寧な説明と保護者、有識者を交えた検討会の実施をお願いします」と要望した。

 菅原さんの次男は発育遅延があり、発語に困難を抱えているという。署名提出後「寄宿舎に入って息子に親友ができた。社会に出ていく一人の人間として、寄宿舎を通して学びを得られる人を途絶えさせたくない」と話した。

 同会代表で卒業生保護者の桜井宣子(さくらいのりこ)さん(69)=矢板市=は「私たちが感じている署名の重みを知事、教育長にも同じ思いで受け取ってほしい」と述べた。

 県教委は昨年11月、施設の老朽化や通学困難者の減少を理由に栃木、那須の特別支援学校の寄宿舎閉舎を発表。閉舎後の対応として、スクールバスの増車や、宿泊体験ができる生活訓練棟の有効活用などに取り組むとしている。存続を求める会は5月下旬から署名活動を続けてきた。

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