障害者の働き方議論 全国手をつなぐ事業所協議会 上越市で全国研修大会 就労支援、農福連携も

 全国の就労支援事業を行っている事業所が障害者の働き方などを話し合う「全国手をつなぐ事業所協議会全国研修大会・新潟県大会」がこのほど、上越市中央1のホテルセンチュリーイカヤで開かれた。100人以上が出席し、就労支援事業の多様化や農福連携などについて学んだ。
 会場では、地元事業所が手掛けた菓子や野菜などを販売し、アトラクションとしてやまびこ会(三和区)利用者が楽器演奏を披露した。

全国各地の事業所による農福連携などに関するシンポジウム。地元のかなやの里ワークス(左)などが取り組みを紹介した

 午後のシンポジウム「総合支援法の見直しと就労支援事業の多様化、農福連携の可能性」では、上越福祉会かなやの里ワークス(上越市下馬場)の望月正次長が県代表パネリストとして参加。自家農園での園芸や水稲栽培、地域農業者からの業務委託、地域の農産物の加工・販売などの業務を紹介した他、行政の建物清掃、ごみ処理工場での業務請負など、作業の幅を広げていることに触れた。
 一方で、利用者の高齢化が避けられず、農福連携は負担になることに言及。今後、負担の少ない作業や就労支援B型とあわせて、生活介護事業も考えたいという。また、活動を通じて地域との交流が生まれたことを挙げ、「働いた実感を利用者が持てるよう活動にしていかなければ」と述べた。
 障害者総合支援法改正法の施行後3年間の施行状況を踏まえ、専門部会が取りまとめた見直し案では、障害者の職業への適正を客観的に評価するため、今後は本人の希望や強みに着目し、特性に合った支援、働き方の選択へつなげる。就労選択支援へ対応する職員の質確保と中立性から、さまざまな立場の人からの対応を検討中。また、就職後の支援に向けて企業、事業所が支援の内容を把握、情報共有して連携を取ることも視野に入れる。

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