【ドラッグストア協会】「濫用のおそれのある医薬品」対象拡大への準備を会員通知/456品目から1275品目に対象品目拡大

【2022.11.18配信】日本チェーンドラッグストア協会は11月18日に定例会見を開き、11月2日付けで「濫用のおそれのある医薬品」の範囲の拡大について万全の準備を周知する事務連絡を会員企業に発出したことを報告した。協会によると来年2月にも対象が456から1275に品目に大幅に拡大するとして、協会は店頭の準備には時間を要するとの考え。そのため公的な発表を待たずに協会会員企業へ発出したと説明した。

「濫用のおそれのある医薬品」については7月27日の厚労省薬事・食品衛生審議会/医薬品等安全対策部会/安全対策調査会で審議が終了している状況。範囲を拡大する準備が進められているとみられる。

協会では、来年1月にも告示改正、2月にも適用開始になるのではないかと見通している。
告示と適用開始の時間が短いと店頭での準備にとる時間も短くなるため、協会では公的な公表を待たずして会員企業に万全な体制への準備を周知。薬局・店舗への周知のほか、薬剤師・医薬品登録販売者の教育、レジアラームシステムの改修などの準備を求めている。

対象の拡大は、6成分に関して、これまで対象を鎮咳去痰薬に限るなどの限定をしていたものを削除する。これにより、かぜ薬(総合感冒薬)が対象となり、対象品目は456から1275に大幅に拡大するという (品目数は9月現在)。

具体的な改正案の内容は下記の通り。
現行→改正案
1.エフェドリン→エフェドリン
2. コデイン (鎮咳去痰薬に限る。)→コデイン
3. ジヒドロコデイン (鎮咳去痰薬に限る。)→ ジヒドロコデイン
4.ブロムワレリル尿素→ブロムワレリル尿素
5.プソイドエフェドリン→プソイドエフェドリン
6. メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、 内容液剤に限る。)→ メチルエフェドリン

改正は、鎮咳去痰薬以外の総合感冒薬の依存症例や内容液剤以外の剤型においても濫用の実態が報告されていることを受けたもの。

なお、協会では9月29日時点で、告示改正から適用までの期間の延長を国に要望している。要望への回答は「まだない」(協会専務理事の中澤一隆氏)としている。そのため、準備に必要な「告示改正から適用までの期間の延長」については、「実現するかどうかは現時点で不明」(同)としている。

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