大分三好ヴァイセアドラー ゲームプランの柔軟な対応と個人のレベルアップが必要 【大分県】

バレーボールのトップリーグV1が開幕してから約1カ月、大分三好ヴァイセアドラーはオポジットとアウトサイドヒッターの外国人選手2人を入れ替え、即戦力となる大卒新人を加えて躍進を予感させたが、ここまでの低迷は想定外だったのかもしれない。8試合を終えていまだに白星を挙げられず、最下位と苦しい状況だ。

その要因は、プランと連係の希薄さにある。大分は試合前のスカウティング(分析)で対戦相手のチームスタイル、狙いどころを明確にしているが、試合が進むにつれて相手が修正し、対策を練ったときの対応に苦しんでいる。ムレイ・ポール監督は試合前のプランに加えて、「コートに立った選手が対面した相手を分析し、クセを見抜くなど判断しなければいけない」と話す。

実際にプラン通りに序盤はリードすることもあるが、中盤に追い上げられ、終盤に勝ち越されるパターンが多い。キャプテンの久保田雅人は「スタートの勢いはいいが、勝ち急いでミスが出る。クイックや(センターからの)バックアタックを織り交ぜた速い攻撃でサイドアウトは取れているが、ブレイクが取れないのはサーブの問題。勝つときはサーブが走っている。そこを早急に修正しなければいけない」と、サーブからの連携の崩しの少なさを指摘する。

攻撃の形はできつつある

それでも、今月12日のウルフドックス名古屋戦は一筋の光明が差した。首位を走る好調チームに対し、オポジットの古賀健太が積極的にスパイクを放ち、強気のサーブでポイントを取る場面があった。2年目の藤原奨太は「悪い流れの中でも、粘り強くボールを拾い、エース(古賀)に託すバレーができた。他の選手も強打を打ち込むことができたが、最後のフィニッシュの差が出た。決めきれずミスが出たのは反省点」と振り返る。

古賀は「負けが続くことで勢いを失ってはいけない。練習から雰囲気を盛り上げ、まずは1つ勝つことが重要」と話す。幸い名古屋戦が終わって、次の試合まで2週間空いている。ポール監督は「まずはコミュニケーションを取って、狙いを明確にしたい。サーブミスが減り、ブロックは良くなっている。あとはプラスアルファのセンス」と、チームの完成度と個人のレベルアップを求めている。

エースとして活躍が期待される古賀健太

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS