宇都宮・大谷で初の蚤の市 小説に登場「源氏飯」も販売

小説「百年厨房」に登場する「源氏飯」を受け取る来場者

 大谷石の里、宇都宮市の大谷の魅力を発信する「フェスタin大谷2022」最終日の20日、大谷公園で初のイベント「大谷蚤(のみ)の市」が開かれた。飲食や古道具など32店舗が軒を連ね、大勢の人でにぎわった。

 今年は新たな試みとして、大谷町を舞台にした小説「百年厨房(ちゅうぼう)」に登場する大正時代のレシピをアレンジした料理を、地区内の飲食店が期間限定で提供。「石の里」の魅力を食の面からも発信した。

 最終日は蚤の市の会場で、ご飯に刻みネギとノリとだし汁をかけた「源氏飯」が販売された。小説を読んで「食べてみたい」と来場した市内在住の会社員八木橋智史(やぎはしさとし)さん(34)と萌奈(もえな)さん(31)夫妻は「素朴で懐かしい味」「実家に戻ったよう」と笑顔で頬張った。

 小説の著者村崎(むらさき)なぎこさん(51)も来場し「感謝感激です。プロの手にかかるとこんなに発展するんだと思いました」と話した。

 主催した実行委員会の高橋智也(たかはしともや)委員長(43)は「来た人にもっと満足してもらえるよう、地域全体でもてなしていける環境をつくっていきたい」と意欲を語った。

© 株式会社下野新聞社