西九州新幹線 開業1カ月分析 来訪者 長崎は大幅増/“中間駅”低い伸び率 旅好きミドル層多く

開業イベントでにぎわうJR長崎駅東口広場=9月23日、長崎市尾上町

 九州経済調査協会(九経調、福岡市)とCCCマーケティング総合研究所(東京)は24日、西九州新幹線の開業1カ月のデータ分析結果を発表した。開業前に比べ、長崎市で来訪者の大幅な増加がみられる一方、“中間駅”の諫早、大村両市の伸び率は低かった。新幹線駅エリアを利用する人の特徴としては「旅行好きのミドル層(40~60代)の男女」が多かった。
 九経調は、スマートフォンの位置情報を基に来訪者数を算出する「おでかけ指数」を採用。新型コロナウイルス流行前だった2019年の1日平均来訪者数を100として、開業前(21年9月24日~10月23日)と開業後(22年9月23日~10月22日)の指数を比較。増加率を分析した。
 それによると、九州平均(沖縄除く)の39.6%増に対し、長崎市は66.2%増と大幅に伸びた。佐賀県武雄、嬉野両市もそれぞれ89.7%増、73.2%増。佐世保市も52.5%増と伸びたが、「新幹線との関係は定かではない」(九経調)。一方、諫早市は28.5%増、大村市は23.6%増と九州平均を下回り、九経調は「沿線や周辺地域に等しく効果が波及していない状況は今後の課題」と指摘した。
 宿泊施設の稼働状況(指数)は、全国旅行支援の後押しもあり、新幹線沿線市はいずれも九州平均を上回る高水準となった。
 CCCマーケティング総合研究所は、全国約7千万人の「Tポイント」会員データやアンケートを基に、西九州新幹線5駅エリアの利用者の特徴を読み取った。
 その結果、休日は夫婦や家族で外出するアクティブ志向で、好きなものにこだわって楽しむ人が目立った。購買データ分析によると、酒を好む人が多く、限定品や新商品を積極的に試す傾向があった。
 居住地構成比は5駅中、長崎駅が県外の割合が最も高く、特に関東地区から増加。諫早駅も「V・ファーレン長崎のホームゲーム時に県外から増えている」とした。


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