竹喬の名画 3千人の笑顔で再現 笠岡高生 写真集めモザイクアート

竹喬の代表作を笑顔の写真で再現したモザイクアート

 笠岡市出身の日本画家・小野竹喬(1889~1979年)の絵画を、市民らの笑顔の写真を使って再現したモザイクアートが、竹喬美術館(同市六番町)にお目見えした。笠岡高(同市笠岡)2、3年生のグループが写真を募って制作、「本物の絵と比べたり、自分の写真を探したりして楽しんでほしい」と来館を呼びかけている。展示は12月18日まで。

 モザイクアートは縦2メートル、横3メートル。子どもからお年寄りまでのはじける笑顔の写真約3千枚を使って、竹喬の代表作「樹間の茜(あかね)」を再現した。印象的なあかね色の空や緑の若葉が丁寧に表現され、迫力ある1枚に仕上がった。

 制作したのは、若者の来館を促そうと結成した同高の「小野竹喬広め隊!」の14人。モザイクアートは、「自らが作品の一部となることで興味を持つ人が増えるのでは」と考え、4月ごろから写真を集め始めた。メンバーがカメラを手に、市内のイベントや保育園などを訪問し、笑顔の写真を撮影。さらに写真共有アプリ・インスタグラムなどでも写真を募った。

 竹喬の誕生日の今月20日、同館でお披露目会があり、メンバーや来館者らが出席。合図とともに作品にかかっていた幕が引かれると、参加者からは歓声と拍手が湧き、じっくりと見入っていた。

 リーダーの3年中浜寿菜さん(17)は「完成まで苦労したが、みんなの喜ぶ顔が見られてうれしい。これからもたくさんの人に竹喬さんのことを知り、愛してもらうために後輩たちに活動を引き継いでいきたい」と話していた。

笑顔の写真を組み合わせたモザイクアート。はじける笑顔の写真がぎっしりと詰まっている

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