コロナワクチン接種後に死亡も…会場のアナフィラキシー対応の体制は 福井県でも2人救急搬送

ワクチン接種後は健康観察エリアで待機し、体調に異変があれば救急室で診察を受ける=福井県福井市のアオッサ

 愛知県内の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で40代女性が接種後に死亡した問題で、同県医師会はアナフィラキシー(重いアレルギー反応)を強く疑い治療すべき事案で「会場の体制に問題があった」との検証結果をまとめた。福井県の集団接種会場では「万が一のとき、迅速に対応できるよう体制を確認している」(県対策チーム)と強調。県内で流行「第8波」が鮮明になる中、ワクチン接種を呼びかけている。

 国は、愛知県の事例を含め全国でアナフィラキシーの報告が相次いでいるとして、接種会場の対応を改めて確認するよう各自治体に通知している。

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 県によると、これまでに延べ約4万9千人が利用した県の集団接種会場で、アナフィラキシーは確認されていない。延べ5万人以上が接種を受けた福井市の集団接種会場では、これまでに2人がアナフィラキシーになり、治療でアドレナリンを投与した後、救急搬送された。2人とも、その日のうちに回復したという。

 県や同市の集団接種会場では医師が予診に当たり、救急対応も担う。接種を受けた人は原則15分間、看護師が常駐する会場内の健康観察エリアで待機。同市の会場近くでは市消防局の救急隊員も待機しているという。

 県接種会場のアオッサ(福井市)では18日夜、約300人が利用し経過観察エリアに常時40~50人いた。看護師の一人は「うつむき加減の人、顔色や気分の悪そうな人がいないか注視している」と話す。

 体調不良を訴えた人は救急室に移され、医師がすぐに診察する。担当医には日本救急医学会監修のアナフィラキシー対応の手順を配布しており、県対策チームの担当者は「アナフィラキシーが疑われれば、ためらわずアドレナリンを打つことになっている」と説明している。

 県内のオミクロン株対応ワクチンの接種率は15.4%(21日時点)にとどまっており、県は毎週金、土曜にアオッサで集団接種を実施している。土曜は予約なしで受け付けている。JA福井県若狭基幹支店(小浜市)では26日、プラザ萬象(敦賀市)では12月3、10日に予約なしで接種できる。  

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