平和願う被爆者の思い伝えたい 証言聞き取りの俳優、岡山で講演

被爆者らの思いを語る斉藤さん

 被爆者らから聞き取った証言を書籍や講演で発信している俳優斉藤とも子さん(61)が27日、岡山市内で講演した。「被爆者に支えられて」と題し、平和を願う被爆者の思いを伝えていく大切さを語った。

 斉藤さんは1999年、広島で被爆した親子を描いた演劇「父と暮せば」に娘役で出演が決まった際、役作りで訪れた広島で被爆者の女性に出会った。

 「生き残って申し訳ない」と話していたその女性は、斉藤さんが証言を書籍で紹介すると「私も頑張ったんじゃね」と笑顔になってくれたといい、斉藤さんも「自分も何かの役に立てるかもと勇気をもらった」と振り返った。被爆2世の人から贈られたお守りを持って「父と暮せば」の舞台に臨んだエピソードなども紹介した。

 被爆者が次々と鬼籍に入り「思いが世の中に受け止めてもらえていないのでは」と歯がゆさを語り、「平和や核廃絶を考えてもらえるよう伝えていきたい」と話した。

 広島、長崎の被爆者を親や祖父母に持つ岡山「被爆2世・3世の会」が主催。約70人が聴いた。

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