柔道男子 自主性を重んじ、限界突破で全国大会を目指す柳ケ浦 【大分県】

来年1月の全国高校柔道選手権県大会に向けて男子団体戦、同個人戦での全階級出場を目指す柳ケ浦。10月に行われた県高校新人大会では団体戦で優勝したが、個人戦では全7階級のうち60キロ級の吉村悠之介(1年)と81キロ級の中村束琉(2年)の2階級制覇にとどまった。

松谷鯉太郎監督は「県大会では団体と個人の完全優勝を狙っていたが、勝ち切れない弱さが出た」と振り返る。続く11月の九州大会は経験を積ませる場として、結果より内容を重視して新人戦を終えた今、「課題が明確になり、稽古から目の色が変わった」と選手の変化を感じている。

稽古は選手の自主性を重んじている

柔道部にはモンゴルや韓国からの留学生を含め、2年生は11人、1年生11人が在籍する県内随一の大所帯。人数が多いがゆえに、限られたスペースと時間を有効に使い、自主性を重んじて稽古に取り組んでいる。松谷監督には「強い選手は自分の長所と短所を客観的に見つめ、足りない部分を補える選手」との理想像があり、勝負の世界を生き抜くためには「自主性」が一番重要なことだと考えている。選手は自分の試合の映像を分析して、自分なりの勝因と敗因を見つけ、指導者と答え合わせをしながら長所を伸ばし、短所を修正する作業を繰り返す。

九州大会で優勝した吉村は、「初戦で得意の背負い投げで一本取れて流れに乗れた。狙い通りの試合ができた」と練習から試合を想定していたため、試合のイメージができていたという。全国高校柔道選手権に向けて、「まずは県大会で確実に出場権を得て、日本一を目指す」と高い目標を掲げた。年末年始は関東の強豪校との強化合宿を予定しており、練習から気合が入る。松谷監督は「中学まで勝った経験が少なくても、誰でも明確な目標を立てて稽古すれば強くなる。同じ高校生が相手、自分に限界を決めないでほしい」と限界突破の先に勝利を見据えている。

 全国高校柔道選手権では団体、個人戦全階級での出場を目指す

(柚野真也)

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