今市事件、発生から17年 「二度と起こさない」学校関係者らが誓い

有希ちゃんの墓前で冥福を祈る学校関係者ら=1日午前9時5分、日光市猪倉

 2005年12月、栃木県日光市(旧今市市)大沢小1年、吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件は1日、発生から17年を迎えた。学校関係者ら8人が同日、日光市猪倉の墓苑で有希ちゃんの冥福を祈り、「二度と同じような事件を起こしてはいけない」と再発防止を誓った。

 冷え込んだ午前9時ごろ。8人は黄色やピンクの花束を墓前にささげ、線香を手向けた。有希ちゃんは今年で24歳になるはずだった。

 同小は今夏、これまで保護者主体で作っていた地域の安全マップを、子どもたち主体で作成した。児童がタブレットで通学路を撮影するなどし、危険箇所を確認した。星昌志(ほしまさし)校長(57)は「子どもたちには防犯を自分事として考えてほしい」と話す。1年生を見ていると、事件の痛ましさに胸が締め付けられるという。

 事件後に発足した自主防犯組織「ひまわり隊」初代隊長の粉川昭一(こなかわしょういち)日光市長(58)は、墓前で有希ちゃんの小さな棺を思い出した。「二度と事件を起こしたくない気持ちは今も変わらない。行政としても、地域で子どもに目を配ることを啓発していきたい」と力を込めた。

 児童は事件後から今も、保護者の送迎や同隊が見守る中、登下校している。保護者の負担や子どもの成長機会の面で児童のみの登下校を望む声もあるという。同隊の牧原紀子(まきはらのりこ)副隊長(44)は「葛藤もあるが、何か起きてからでは遅い。安全を優先したい」と複雑な心境を口にした。

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