栃木県立美術館と図書館、移転先候補は体育館跡地 福田知事が正式表明

2021年3月に閉館した県体育館

 栃木県の福田富一(ふくだとみかず)知事は2日の県議会代表質問で、老朽化が進む県立美術館(宇都宮市桜4丁目)と県立図書館(同市塙田1丁目)について、昨年閉館した県体育館の跡地(同市中戸祭1丁目)を新築移転の候補地として検討していると正式に表明した。県庁南館に入る県文書館(同市塙田1丁目)の機能も集約し、「文化振興の中核となる『文化と知』の創造拠点として整備したい」と述べた。

 県議会や有識者らでつくる検討委員会を来年度に設置し、意見を聞きながら具体的な整備構想の策定を進める方針。

 福田知事は美術館、図書館の収蔵能力や駐車場の不足、バリアフリー化やデジタル対応の必要性にも触れ「建て替えは待ったなし」と説明。「一体的に整備することで高い相乗効果が発揮され、新たな価値が創出される」などと主張した。

 県体育館跡地が移転候補地として有力となっている理由には(1)県内各地からのアクセスが良好(2)敷地面積が約3万4千平方メートルと広大(3)早期の着工が可能で、県有財産の有効活用が図れる-などを挙げた。

 県立美術館は1972年に全国6番目の県立美術館として開館し、県立図書館は71年に開館した。それぞれ築50年が過ぎ、老朽化などが課題となっている。県文書館は86年に開館した。

 県体育館は宇都宮市西川田地区の県総合スポーツゾーン整備や老朽化などに伴って昨年3月に閉館し、来年度から建物の解体工事に入る。

 螺良昭人(つぶらあきひと)氏(とちぎ自民党議員会)の質問に答えた。

県立美術館、図書館の新築移転案を説明する福田知事(中央)=2日午前、県議会本会議場

© 株式会社下野新聞社