小島慶子さん「考え方一つで、ああもこうも生きられる」 女子アナ時代の悩みや障害、豪移住など福井で語る

「人生はああもこうも生きられる」と題し講演する小島慶子さん=12月3日、福井県福井市のフェニックス・プラザ

 福井新聞・女性の集い「ささら」の本年度第4回サロンが12月3日、福井県福井市のフェニックス・プラザで開かれた。エッセイストで東京大学大学院情報学環客員研究員の小島慶子さんが「人生はああもこうも生きられる~思い通りにならないけれど、思いがけず面白い」と題して講演。約800人の参加者を前に、障害や移住など自身の経験を踏まえ、多様な生き方を尊重する大切さを訴えた。

 大手テレビ局のアナウンサーだった20代、「女子アナはさわやかでかわいく」という風潮に悩んだという。30代では不安障害を患い、40歳を過ぎてからは「注意欠陥多動性障害(ADHD)」と診断された。「障害は自分とは無縁だと思っていた」と悩む時期もあったが、考え方一つで「ああもこうも生きられると実感した」と語った。

 8年前に家族でオーストラリアに移住し、自身は現在、日本に拠点を置いて日豪を行き来する。異国で暮らす苦労が分かり「日本にいる外国人の見え方が変わった」という。周りに自分とは違う生き方を選ぶ人がいたら「まずは耳を傾けて、それも一つの選択だと言ってあげてほしい。そして、自分にできる手助けや励ましの声かけをしてあげて」と呼びかけた。

⇒「大変な時ほど笑って」河野景子さんがしなやかな女性の心構え伝授

 講演前には、越前市を拠点に活動する歌手の絵利菜さんらのミニコンサートがあった。

© 株式会社福井新聞社