福井のワンパークフェス2022経済効果は8億円超え…ソイル「社長」、次回から海外アーティスト誘致にも意欲

経済波及効果8億円以上と発表された2022年のワンパークフェスティバル=9月4日、福井県の福井市中央公園(実行委提供)

 2022年9月3、4日に福井県の福井市中央公園で開催された野外音楽祭「ワンパークフェスティバル」の実行委員会と福井商工会議所、福井県観光連盟は12月5日、フェスの経済波及効果が過去最高の約8億355万円だったと発表した。実行委は県外客の増加、会場外の無料ゾーン新設による効果を強調。「まち全体を一つのテーマパークにするという、本来の目的に近づいてきた」と評価している。

 同フェスは全国でも珍しい中心市街地での野外音楽祭として19年に始まった。3回目の今年は氣志團や東京スカパラダイスオーケストラら43組のアーティストが出演し、観客数は延べ約8千人だった。

 フェス自体で発生した直接効果は約2億9900万円。チケット収入、交通費、宿泊費、会場内外での飲食、観光消費額、イベント製作費などを積み上げた。直接効果の額を基に、総務省の産業連関表を使って算出した波及効果が約5億300万円となった。

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 総額は19年から約1億6千万円増。2回目の昨年開催分は調査していないが、新型コロナウイルスの感染対策で入場者数を制限していたために「今年が過去最高なのは確実」(実行委)としている。

 実行委によると、今年は県外客の比率が19年の45%から55%に伸び、県内客を逆転。特に関東圏からの来場が増えて、交通費や宿泊費を押し上げた。チケットなしでも入場可能な「無料ゾーン」には約1万3千人が訪れ、飲食ブースで約580万円の売り上げがあった。野外サウナ、カヌー体験などのアトラクションの効果もあり、実行委の勝田達運営委員長は「フェスの拡張性を表現できた」と手応えを語った。

 フェスの音楽顧問を務めるジャズバンド「ソイルアンドピンプセッションズ」の「社長」さん=福井県越前市出身=は「今年は関東圏での認知度がアップし、アーティスト側からも出演希望の声が多く届いている」と話した。来年以降の開催に向けては、アジアを中心とした海外アーティストの誘致にも意欲を示した。

 一方、フェス以外の観光消費額は400万円足らずで全体の0.4%。実行委員長の山田義彦県観光連盟会長は「見直す点も明らかになった」と課題に挙げ、フェスと組み合わせた旅行プランを用意するなどして県内観光への波及にさらに取り組む姿勢を示した。

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