タイ釣る恵比寿様と... 江戸から伝統継ぐ像、小山に イルミネーションも

夜間はイルミネーションで彩られる像

 小山市のJR間々田駅東口前に、太鼓をたたく子どもとタイを釣る恵比寿様が並ぶ「南飯田神田囃子(ばやし)像」がある。

 江戸神田囃子の流れをくむ南飯田のおはやしを伝える像。同所には江戸時代末期、現在の栃木市を経由して伝わった。太鼓、笛、かねを持つ五人ばやしと踊り手が「獅子舞」「ひょっとこ踊り」などを厳粛に、ユーモラスに披露する。

 第2次世界大戦の影響で一時消滅の危機にひんしたが、南飯田神田囃子保存会が再興。1964年に市無形文化財の指定を受けた。

 現在は地元育成会の活動として、小中学生ら約30人が毎週金曜に南飯田公民館で練習に励んでおり、地域のイベントに出演する。2006年には市の姉妹都市オーストラリア・ケアンズ市でお披露目もした。

 像の大きさは台座を含めて約2.1メートル。同保存会の尾島一広(おじまかずひろ)会長(68)が演目のおはこ「恵比寿の鯛(たい)釣り」をモデルにデザインし、09年3月に建てられた。冬場はイルミネーションで彩られる。

 尾島会長は「江戸時代から脈々と受け継がれている伝統を知ってもらえればうれしい」と話している。

 【メモ】小山市暁2丁目。像と周辺を彩るイルミネーションは来年2月末まで。点灯時間は日没~午後11時半。

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