昨年の全日本高校女子サッカー選手権大会(全日本選手権)後に新チームを立ち上げたときは、「全体のレベルが低く、どうなることかと頭を悩ませた」と林和志監督。ただ、気持ちの強い選手が多く、「個人の能力は高くはないが、みんなで力を合わせて強くなろう」とチーム一丸となってからは成長が加速した。
今夏の全国高校総体の出場は逃したが、全日本選手権の九州予選では強豪校を次々と退けた。チームの大黒柱である松木葵(3年)をけがで欠いた準決勝で東海大福岡に勝利し、決勝は神村学園(鹿児島)に敗れはしたが互角の勝負を演じた。いつも辛口評価の林監督が「初めて試合を見ていて楽しいと思った。3年生を中心にチームがまとまり、弱点の穴がなく、攻守バランスのいいチームになった」と目を細めた。
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3年連続7回目の出場となる全日本選手権では松木が復帰し、ベストメンバーで臨む。これまでチーム事情でセンターバックに松木を据えていたが、本来のポジションであるセンターフォワードでの起用ができるようになり、前線でボールが収まるようになった。また、松木にマークが集中することでサイドの松岡優空(2年)が自由にスペースを使えるようになり、得点源としての期待が高まる。ベンチメンバーを含め、選手層が厚く、誰が出ても同じ戦力で戦えるのも大きな強み。
全日本選手権までの残り3週間で、林監督は「いい守備から、いい攻撃につなげたい」と守備を整理し、ボールを奪う回数と攻撃の回数を増やす考えだ。初戦の相手は常葉大学付属橘、そして勝てば藤枝順心と、レベルの高い静岡県勢との連戦となりそうだ。林監督は「チームスタイルのかみ合わせは悪くない。誰もが柳ケ浦の勝利を予想していないだろうが、チャンスはある」と手応えを感じている。ワールドカップで日本代表が躍進したように、大番狂わせを狙っている。
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(柚野真也)