日本も協力 ルワンダの発展知って 岡山でセミナー、大虐殺の歴史も

ルワンダの歴史や現状を伝えたセミナー

 日本とルワンダの友好関係樹立60周年を記念し、国際協力機構中国センター(JICA中国)や在日ルワンダ大使館などは11日、岡山市内でセミナー「ルワンダ 平和と奇跡の発展」を開いた。同国が1994年の大虐殺を乗り越え、農業政策などで経済発展を進めている現状を伝えた。

 同国に詳しいJICA職員や識者ら5人が講演やパネルディスカッションを行った。JICA平和構築室の室谷龍太郎室長は、多数派フツ人強硬派が少数派ツチ人ら約80万人を殺害したとされる大虐殺の経緯を話し「ルワンダを植民地化した欧米諸国などが民族の違いをあおった」と要因を説明。東京大名誉教授の池本幸生さんは、交流サイト(SNS)で自分と立場が異なる人を攻撃するケースが散見されるとし、悲劇を防ぐために「私たち一人一人が考えるべき問題」と語った。

 大虐殺後、コーヒー栽培や情報通信技術(ICT)の普及などで、国内総生産(GDP)成長率は8%前後に達した。日本サスティナブルコーヒー協会の川島良彰理事長は「現地で日本人たちが栽培の技術支援や輸出に適した品種選びに携わっている」とし、国際協力の重要性を説いた。

 オンラインを含め市民ら約180人が聴いた。

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