新見市 男性トイレに汚物入れ設置 本庁舎など「安心して外出を」

男性用トイレの個室に設置されたサニタリーボックス=新見市役所本庁舎

 新見市は、市役所本庁舎など公共施設の男性用トイレに、サニタリーボックス(汚物入れ)を設置した。病気や高齢の人が使用した尿取りパッドや、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの人が生理用品を捨てることを想定し、誰もが安心して外出できるようにするのが狙い。当面は来年3月末までの予定で、継続も検討する。

 サニタリーボックスは直径20センチ、高さ29センチの円筒形。市役所の本庁舎をはじめ、南庁舎、各支局、まなびの森新見図書館のそれぞれ1階にある男性用トイレの個室に11月に置いた。壁には設置目的を説明した紙も張っている。

 市総合政策課は「ためらわずに外出できる新見にしていきたい。ニーズに応じて、避難所や体育施設などにも広げていく」としている。

 サニタリーボックスはこれまで、生理用品などを流すとトイレが詰まる原因にもなることから、女性用や男女兼用トイレに置かれるケースがほとんどだった。最近になって男性用の個室にも設置する動きが広がり、市によると、熊本市や千葉県柏市などが実施中。岡山県も後楽園や岡山武道館など県施設10カ所(9月1日現在)で行っており、県庁舎への設置も予定しているという。

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