関西圏でのイチゴの販路拡大を目指し、栃木県は12日、長距離バスを活用した「とちあいか」の関西向けの輸送試験を開始した。2023年3月まで週約3便のペースで計35便約550キロを輸送する予定。初の試みで、鮮度保持や果実の痛み軽減などの課題を探りながら、現地ニーズも調査する。
関東自動車(宇都宮市)などが栃木県と京都・大阪間を1日1便運行する「とちの木号」を活用し、貨客混載方式で実施する。1便当たり計60パック(1パック260グラム入り)を保冷バッグに入れ、バスのトランクルームに積載。到着後の痛み具合なども調査する。
12日は、さくら市の生産者が同日朝に収穫したイチゴを同社簗瀬営業所(宇都宮市)で午後8時前から積み込んだ。13日朝、大阪市に到着し、仲卸業者を通じ現地の百貨店や量販店、洋菓子店などで販売される。
県は試験結果を踏まえ、26年には1便当たり約5トンを輸送できるチャーター便での物流網構築を目指す。
県の担当者は「まずは認知度向上を図り、将来的に関西圏で『いちご王国・栃木』の地位を確立したい」と話した。