感染3千人超、病床使用率は過去最高 栃木県、近く対応協議へ

新型コロナ病床使用率の推移

 栃木県は13日、新たに計3318人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの新規感染者数としては8月4日(3371人)に次いで過去2番目の多さとなる。病床使用率は12日時点で67.5%となり、過去最高を更新した。県内の入院・救急医療の逼迫(ひっぱく)度が高まる中、県は近く対策本部会議を開き対応を協議する方針。

 新規感染者が3千人を超えるのは8月18日(3214人)以来約4カ月ぶり。病床使用率は、県が「救急医療などコロナ以外の診療に影響が生じかねない危機的な状況」と位置付ける50%を大幅に上回っている。

 県医療政策課によると、入院者の約7割を高齢者が占め、持病で入院中の人が院内感染し、コロナ病床に移る例が増えているという。持病などを理由に、回復した患者の転院が円滑に進まないことも病床使用率上昇の要因になっている。

 12月に入り、医療機関ではクラスター(感染者集団)が8件発生。感染拡大により出勤できない医療従事者も増加傾向にある。

 一方、12日現在の重症病床使用率は21.7%で、昨年8月の第5波ピーク(47.8%)の半分以下。県は、発熱外来の逼迫も一部にとどまるとしている。

 県は11月25日、県内の感染状況を示す警戒度レベルの分類を見直し、従来の5段階から4段階に改めた。

 現在の警戒度はレベル2「感染拡大初期」だが、県はレベル3「医療負荷増大期」の目安に(1)病床使用率50%超(2)第7波ピークを超える新規感染者-を挙げており、外来や救急医療の逼迫度なども加味し「総合的に判断する」としている。

 レベル3で都道府県は、住民により慎重な行動を要請する「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を発出できる。県は対策本部会議で警戒度レベルの判断を含め、対応を協議する。

 13日の新規感染者は0歳~90歳以上。40代以下が7割以上を占め、最多の10代が622人、10歳未満が587人、40代が498人、30代が471人など。累計感染者数は31万1331人。

 60代~80歳以上の男女計10人が8~12日に死亡し、死者は計640人となった。内訳は入院中が5人、施設療養中が4人。60代男性1人は病院搬送後に死亡が確認され、陽性判明した。

 クラスターは高齢者施設で5件発生し、日光市内で7人、さくら市内で21人、那須町内で10人、佐野市内で9人、宇都宮市内で10人が感染した。入院者(予定含む)462人、宿泊療養者104人、重症者7人。

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