タクシー事業者が値上げ要請 初乗り60円増、長崎県本土 燃料高騰などで

 九州運輸局は15日、タクシー長崎県内大手ラッキー自動車(長崎市)が離島を除く県内本土地域の運賃引き上げを求める要請書を提出したと発表した。来年3月13日までに、同業他社から一定数の要請・申請があった場合、同局が可否の審査に入る。同地域での要請は2018年12月以来、改定されれば20年2月以来となる。
 同社の要請は14日付。それによると、普通車の場合、走行距離1キロまでの初乗り運賃を現行から60円アップし650円とする。加算運賃は現行の「226メートルごとに70円」から「213メートルごとに90円」に改定する。
 川添暢也社長は取材に、燃料や部品の価格高騰、運転手不足など業界全体の厳しい実情を説明。「(運賃が改定されれば)利用客にご負担を掛けることになり申し訳ないが、運転手の労働条件や経営の改善のため避けられず、ご理解いただきたい」と述べた。
 同局によると、同地域で対象となるのは92事業者、車両総数は2113台。台数ベースで7割以上の要請・申請があれば、同局が審査に着手。事業者の収支状況などを確認し、運賃改定の可否や幅などを決める。
 前回は101事業者のうち64事業者が要請・申請し、台数ベースで8割以上に達した。改定率14.11%で、20年2月から初乗り運賃が70円引き上げられ、現行の590円になっていた。離島地域も同様の手続きで40円値上げした。


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