国登録記念物に笠岡・清水氏庭園 文化審答申、造園文化発展に貢献

登録記念物に答申された清水氏庭園

 文化審議会が文部科学相に16日答申した登録記念物で、岡山県内からは清水氏庭園(笠岡市生江浜)が選ばれた。江戸中期以前から残る伝統的な庭園で、地元の造園文化の発展に貢献した点が評価された。

 清水氏庭園は1712平方メートルで、江戸期に回船問屋を営んでいた清水家が主屋(おもや)の隣に整備。斜面の裾に位置し、むき出しになった花こう岩の岩肌と庭園中央部の池、クロマツやツツジといった植栽が特徴的とされた。詳しい築庭時期は不明だが、江戸中期の僧侶・蝶夢(1732~96年)が園内を訪れたことを紀行文に残している。

 現在は清水家末裔(まつえい)の正毅さん(76)が管理。今後一般公開も検討するという。正毅さんは「代々受け継いできた宝であり、価値が認められて光栄。次世代に残せるよう努力したい」としている。

 登録記念物は遺跡や名勝地の保存を目的に2005年に設けられた。答申通りに認められれば、県内では12年の旧梶村氏庭園(津山市)に続いて2件目。

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