コロナ対策徹底呼びかけ 佐世保基幹5病院 病床使用率上昇で危機感

 新型コロナウイルスの流行「第8波」で医療提供体制が逼迫(ひっぱく)し、入院診療などの維持が困難になるとし、佐世保市内の五つの基幹病院は16日、市民に感染対策の徹底を求める呼びかけを始めた。佐世保県北医療圏は病床使用率が50%を超え、長崎県内で最も高い状況が続いており、現場は危機感を強めている。
 基幹病院は、▽市総合医療センター▽佐世保中央病院▽長崎労災病院▽佐世保共済病院▽北松中央病院。連名の貼り紙を作成し、市民にマスクの着用や手指消毒の徹底などを訴えている。基幹病院による合同の注意喚起は「第7波」が襲った今夏以来2度目。
 県によると、16日公表時点で佐世保県北医療圏の病床使用率は54.4%。県内の医療圏で最も高いペースで上昇している。
 市内のある基幹病院では院内クラスター(感染者集団)が発生し、外来、入院、救急の各診療を制限。このため、中等症以上の感染者を市内で主に受け入れる市総合医療センターにも負担がかかる可能性が懸念されている。
 同センターの増﨑英明理事長兼院長は「このままでは基幹病院が機能不全に陥りかねない。市民のみなさんにも高い危機感を持ってもらい、地域医療を守る行動をお願いしたい」と話している。


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