『ウインターカップ高校バスケ』23日東京で開幕 男子・長崎工、女子・長崎西

ボールを空中で受ける練習を重ねて走力を高める男子の長崎工=長崎市、長崎工高体育館(写真左)、全国で戦うための守備力を培ってきた女子の長崎西=長崎市、長崎西高体育館

 バスケットボールの第75回全国高校選手権(ウインターカップ)は23~29日、東京体育館を主会場に行われる。夏のインターハイと並ぶ高校ビッグタイトルの一つで、3年生にとっては集大成の舞台。男女とも各都道府県代表(東京2枠)48校に、ブロック代表など12校を加えた60校が熱戦を繰り広げる。
 長崎県勢は男子の長崎工が9年ぶり2度目、女子の長崎西が2年ぶり7度目の出場。そろって夏のインターハイで1勝しており、夏を超える「2勝以上」を目指して本番に臨む。

■男子・長崎工/総合力で冬1勝を

 県予選決勝は長崎西と試合終盤までもつれた接戦を98-94でものにした。全国初勝利を挙げた夏のインターハイに続き、まずは冬の初勝利を狙う。主将のガード木村一は「目標はベスト8。自分たちの走るバスケットを続ければ負けない」と燃えている。
 「100点ゲームで勝つ」というチームのテーマ通りに、チャンスがあれば積極的にシュートを狙う。得点源は木村一やフォワード小坂。県予選決勝で何度も成功させたフォワード山本らとの連係プレーの精度は高く、個人技に頼らない攻撃をいかにやりきれるかが勝利へのカギになる。
 先発フォワードの木村玲、水谷がチーム最長身の184センチ。この高さの不利を選手層の厚さでカバーしていく。各クオーターの途中で選手5人全員が一気に入れ替わり、守備で仕掛けて流れを変えるのも持ち味。ここにもシューターのガード堤、オールラウンダーのフォワード宮田ら個性のある選手がそろっている。
 初戦の相手は東京第3代表の国学院久我山。ガードやフォワードに攻撃力の高い選手がそろうチームで、松瀬監督は「サイズは相手の方がありそうだが、速攻の決定力ならこちらが上。走りあいに持ち込みたい」と選手たちを信じている。

■女子・長崎西/堅守と粘りで挑戦

 2年前に出場した前回は強豪校相手に力負け。その悔しさを知る現3年生を中心に結束して、夏冬連続で全国切符をつかんだ。主将のフォワード鬼塚は「下級生の成長もあってチーム力が底上げされている。チャレンジャーとして思い切りプレーする」と完全燃焼を誓っている。
 エースガードの中村や身長179センチのセンター濵月をはじめ、主力には中学時代に県選抜入りしていた選手がそろう。今季の県大会は4月の県春季選手権まで頂点に立てなかったが、ここからチームは成長。ガード久保田らを軸に堅守でリズムをつくり、粘り強いプレーから得点につなげられるようになった。
 選手たちの意向で、先発を高さのある布陣から、堅守速攻を生かすメンバーにしたのも奏功。フォワード清水、ガード石田ら2年生も強気のゲームメークで攻撃を活性化させる。短い練習時間の中で活発に意見交換しながら、心身両面のコンディションを仕上げている。
 1回戦で和歌山信愛に勝てば、全国常連の東京成徳大高との対戦が予想される。田中監督は「相手がどうこうよりも、自分たちの土俵でバスケットができるか。試合中はメンバー全員で流れを読んでいきたい」と選手たちの奮起を促している。

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