店員死亡…バーで踏まれて暴行、遺体ばらばらに解体、燃やされた24歳 男に懲役20年、バー経営者は自殺

島田一治被告

 2016年3月、埼玉県川口市内の飲食店で従業員男性=当時(24)=に暴行を加えて殺害したとして、殺人の罪に問われた上尾市柏座、指定暴力団六代目山口組傘下組織組員で無職島田一治被告(55)の裁判員裁判の判決公判が20日、さいたま地裁(中桐圭一裁判長)で開かれ、中桐裁判長は、検察側の求刑通り懲役20年を言い渡した。

 判決理由で中桐裁判長は、現場にいた男性2人の証言は「具体的に供述し不自然な点もなく、迫真性を有する内容」などとして信ぴょう性があると認定。島田被告が、両手で首を絞めたり、靴を履いた足で踏みつけたりした殺害行為を認めた。また、島田被告が遺体の保管や解体、焼却を積極的に行った行為は「殺害を実行した犯人であるからこそで、自然の成り行きといえる」と述べた。

 その上で、殺害をしない判断もできたのに、島田被告は共謀した男性と話し、暴行の口封じのために殺すことを決めたと指摘。「被害者を人とも思わないような、尊厳を無視した残忍で無慈悲な犯行」と非難した。

 弁護側は、島田被告の殺害の関与を否定していたが、中桐裁判長は、「島田被告の証言には不自然、不合理な点が多々ある」として弁護側の主張を退けた。

 判決などによると、島田被告は16年3月18日ごろ、川口市西川口1丁目の飲食店「ハワイアンバー Lapule」内で同店経営者の男性と共謀し、同店従業員男性に殴る蹴るなどの暴行を加えた上、従業員男性の首を絞めたり踏みつけたりして殺害し、遺体を解体して焼却した。

 共謀した経営者男性は21年10月、従業員男性に対する傷害容疑で逮捕され、同月28日、川口署の留置場で自殺した。

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