年末年始の発熱外来受診に 栃木県が医療機関リスト公表

年末年始に対応する地域別の診療、検査医療機関数(23日現在)

 新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が危惧される中、発熱外来が手薄になる年末年始の参考にしてもらおうと栃木県は25日までに、29日~1月3日に対応可能な診療・検査医療機関のリストを県ホームページで公表した。平時に比べ診療能力は大幅に落ちるため、逼迫(ひっぱく)を防ぐために事前の備えと適正な受診を呼びかけている。

 県内の1日当たりの新規感染者数は3千人前後、病床使用率は6割台で高止まりしている。一方、インフル流行を見るため定点に指定された県内76の医療機関では12~18日に患者23人が報告された。前週の約3倍で、週平均では定点当たり0.3人になった。安足地区に限れば0.91人となり、流行入りとなる「1人以上」が間近に迫る状況だ。

 年末年始の医療機関リストは、重症化リスクの高い患者らの受診を想定し県が2年ぶりに取りまとめた。各郡市医師会の管轄エリアで1~2施設しか対応できない場合もあるため、県感染症対策課は「必ず事前に電話連絡してから受診を」とし、解熱剤や食料の備蓄なども促している。

 県医師会の稲野秀孝(いなのひでたか)会長も「年末年始は症状の重さや変化に応じた対応を考えてほしい」と、低リスクの患者には適正な受診を心掛けるよう呼びかける。

 また県は、かかりつけ患者ではない発熱者の検査・診療を行う340の医療機関、自宅療養者などを初診で診療する267の医療機関のリストも公表した。

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