長崎市産アボカド初収穫 ビワ農家の森さん “冬の新たな収入源”として注目

アボカドを収穫し笑顔を見せる森さん=長崎市、森果樹園

 「長崎アボカド普及協議会」の副会長、森常幸さん(76)がビワを栽培している長崎市千々町の森果樹園で20日、アボカドを初めて収穫した。ビワ農家の新たな収入源として注目される。
 同市はビワの生産量全国1位。ただ農家の高齢化などで2015年から20年にかけてビワの栽培面積は約17%減少し、栽培農家数は約22%減少した。経営を維持するため、二毛作としてビワとは真逆の冬に取れるアボカドを育てようと、13年に「長崎アボカド普及協議会」が設立された。現在、長崎や諫早、西海、松浦で栽培している。
 日本で流通するアボカドの大部分はメキシコからの輸入品で、国内では主に和歌山や愛媛で生産されている。アボカドはビワと比べ、農薬散布や摘果の手間がかからず、低い場所に実がなり高齢者にとって収穫しやすい。
 森さんは長崎市内で唯一、アボカドを栽培しているビワ農家。19年5月に「ベーコン」品種の種をまき、10月に接ぎ木、20年3月に苗を50本植えた。収穫を迎え「熱帯ものだから成長に注意して取り組んできたが、意外と簡単」と笑顔を見せた。今シーズンは50個を収穫する見込みで、出荷はしない。今後、生産個数を増やし、収益化を狙う。


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