シカのジビエをブランド化 駆除後に活用、輸出も視野 上三川の白石環境

「芭蕉鹿」の商品ラインアップ=宇都宮市

 産業廃棄物収集運搬業の白石環境(上三川町上蒲生、白石純也(しらいしじゅんや)社長)は、新規の環境保全事業として展開しているシカのジビエ(野生鳥獣肉)を「芭蕉鹿(ばしょうじか)」の名称でブランド化している。料理用からジャーキー、ペットフードまで幅広い商品をそろえる。大手スーパーや猟友会との連携で安定供給体制の確立と販路拡大を進め、輸出も視野に入れる。

 同社は廃棄物を扱う業者の立場から、森林や農作物の食害対策で駆除されたシカの肉をジビエとして有効活用できないか県と協議した。しかし東京電力福島第1原発事故による放射性物質の問題から出荷制限が続き、本県でのシカの食肉化は当面できないという。

 このためシカの食害に悩み、駆除を行っている三重県と協議。地元猟友会の協力を得る体制を整え、2020年5月、伊賀市守田町に「鹿加工センター 伊賀上野工場」(約200平方メートル、従業員9人)を開設、国際基準の食品製造工程管理手法「HACCP(ハサップ)」の認証取得事業所として稼働した。

「芭蕉鹿」の食肉商品
「芭蕉鹿」の商品ラインアップ=宇都宮市
「芭蕉鹿」の商品ラインアップ=宇都宮市
シカのジビエを加工する「鹿加工センター伊賀上野工場」=三重県伊賀市
シカのジビエを加工する「鹿加工センター伊賀上野工場」=三重県伊賀市

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