横浜の飲食店、値上げせず奮闘 酒や光熱費の高騰で打撃 仕入れ単価1.5倍も コロナと二重苦

ティアモを経営する安部さん。値上げをせずに踏ん張っている=横浜市栄区

 物価高騰は消費者だけでなく、飲食店にも影を落としている。「あらゆるものが値上げしている。工夫していかないとお店が持たない」。横浜市栄区で飲食店「T’amo(ティアモ)」を営む安部圭子さん(60)は危機感を募らせる。折からの原材料高騰は、食材だけでなく、店で提供する酒にも影響を及ぼしているが、それでも価格改定をせずに踏ん張り続けている。

 JR京浜東北線本郷台駅から徒歩2分の場所に、ティアモはある。2013年3月に開業。ギター、ドラムセットや音響設備が整ったカフェ&バーとして午前11時~午前0時まで営業し、不定期でコンサートも開催している。

 人気は、生地から作る自家製のマルゲリータピザや約100種類ある洋酒。来年は開業10周年を迎え、「お客さまに支えられてきた。3月にはホールを借りてお祝いコンサートを開こうと思っている」と安部さんは目を細める。

 しかし、笑顔の裏には悩みも。新型コロナウイルス禍、物価高騰という二つの不安だ。「店の借り入れも19年に返し終えて、やっとここから、という時にコロナが流行した。加えて物価高。いつまでたっても安心感が持てない」

 今年に入り、食料品の値段が徐々に上昇。最近では仕入れ単価が1.5倍に値上げしたものもある。積み重なると、1カ月に万単位で変わってくるという。

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