国見が初戦突破 PK戦で競り勝つ 全国高校サッカー選手権

サッカーの第101回全国高校選手権第2日は29日、1回戦が行われ、長崎県代表の国見は1-1からのPK戦の末に北海(北海道)を下した。13大会ぶりに初戦を突破し、喜ぶ国見の選手たち=横浜市、ニッパツ三ツ沢球技場

 第101回全国高校サッカー選手権第2日は29日、横浜市のニッパツ三ツ沢球技場などで1回戦15試合が行われ、長崎県代表の国見は北海(北海道)に1-1からのPK戦で競り勝ち、13大会ぶりの勝利を挙げた。
 国見は前半37分に先制した。右サイドへのスルーパスにMF幸が抜け出して縦に突破。GKを引き出してラストパスを送り、FW利根が無人のゴールに流し込んだ。だが、後半は何度もピンチを背負うようになり、27分にミドルシュートで失点。試合はPK戦に突入した。
 先蹴りの国見は1人目のMF北村がいきなり止められながらも、GK今村が3人目と7人目をセーブして逆転。PK戦6-5として2回戦進出をたぐり寄せた。
 今夏のインターハイを制した前橋育英(群馬)は日章学園(宮崎)に2-1で逆転勝ち。日大藤沢(神奈川)は大型FW森重の2得点で西原(沖縄)を2-0で退けた。東山(京都)は2-1で星稜(石川)に競り勝ち、盛岡商(岩手)、尚志(福島)、履正社(大阪)なども勝ち上がった。
 第3日は31日、首都圏8会場で2回戦16試合を実施。国見は午後2時10分からニッパツ三ツ沢球技場で尚志と対戦する。

◎パスサッカーで鮮やか先制弾

 新時代の国見を印象づける鮮烈なゴールが飛び出した。前半37分、前線3人が絡む連係で強固な守備網を崩しきり、先制点を奪取。最後はGKまでも抜き去るパスワークで相手を翻弄(ほんろう)し、起点となったMF川添も「イメージ通り」と胸を張った。
 相手に息をつく間も与えない、流れるようなコンビネーションだった。敵陣中央でボールを収めた川添が、反転しながら右サイドへスルーパス。MF幸は快足を飛ばしながら絶妙なタッチでGKを誘い出し、無人のゴール前で待ち構えるFW利根へ「あとは決めるだけ」のラストパスを届けた。
 かつて屈強なフィジカルやスタミナを駆使して全国の頂点に君臨した国見だが、生まれ変わった現在は「見て楽しい」パスサッカーを掲げている。新たな武器が全国でも通用することを証明し、幸は「自分たちならもっとできるはず」と強豪・尚志(福島)戦に向けても自信をのぞかせていた。


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