韓国ポスコが水素貯蔵容器を国産化「世界で唯一100MPaに耐えられる」...米機械学会が認証

韓国鉄鋼大手のポスコ(PSCO)は同国企業エナジン(ENERGYN)と共同で水素貯蔵容器を国産化したと29日に明らかにした。水素貯蔵容器は水素充電所インフラの核心製品として挙げられるが、これまで韓国は全量輸入に依存していた。

(参考記事:韓国の研究所「日本独占のファラデー回転子高透過コーティング技術を国産化」

ポスコは水素関連特許を多数保有するエナジンと水素貯蔵容器の素材から製品まで100%国産化を目標に研究・開発を進めてきた。核心部分は素材だった。

高圧で圧縮したガスを保管する水素貯蔵容器には、米国機械学会(ASME)の規定を満たす厚さ400mm以上の極厚物鋼材が必要だった。ポスコは世界最大厚さの700mm半製品鉄鋼材を生産できるPosMC(POSCO Mega Caster)を活用して水素貯蔵容器に最適化した鉄鋼材「グリーンアブルエイチトゥ(Greenable H2)」を開発した。

水素貯蔵容器内部に入るベッセル(Vessel)に「ワイヤーワインディング」技術で鋼線(Steel Wire)を巻いた様子 /ポスコ提供

エナジンは革新技術でこれを支えた。エナジンは6000バールの超高圧まで安全に制御できる技術を保有している。 一般的な水素自動車(700bar)や水素充電所(900bar)の高圧制御技術を大きく上回る。 エナジンはまたワイヤーワインディング(Wire-winding)技術で水素貯蔵容器の爆発の可能性も遮断した。 ワイヤーワインディングは、水素貯蔵容器内・外部に鋼線(Steel Wire)を層ごとに巻き付ける技術であり、容器の全ての部分が均一な圧縮応力を受けるようにする。

ポスコとエナジンは去る8月に水素貯蔵容器を開発したのに続き、米国機械学会と韓国ガス安全公社から製品販売のための認証を受けた。 両社が共同で開発した水素貯蔵容器は、世界で唯一100メガパスカル(МPa)の圧力に耐えることができる。 水素も既存の輸入製品の2倍の水準である1000リットルまで貯蔵できる。

エナジンはポスコと「水素貯蔵容器普及協力業務協約」を締結し、生産を拡大する計画だ。 エナジンは水素貯蔵容器の生産量を2023年80余余から3年以内に200余余に増やすという計画を立てている。 水素貯蔵容器の容量も1700リットルまで育てることにした。

ファン・インギ=エナジン副社長は「中小企業が販売活路を開拓するのは容易ではないが、製品開発に続き製品商用化までポスコの助けを得られてありがたい」と話した。

(参考記事:韓国発電社「ガスタービン用ブレードを国産化」「実証運転後に実用化へ…年約100億円の効果」
(参考記事:韓国化学企業がTBHPの国産化に成功発表…これまで日米に依存
(参考記事:韓国SKハイニクス、半導体用ネオンガスを国産化…「使用量が4割に拡大」と説明

(参考記事:韓国研究機関、電子顕微鏡の核心装置「高性能エネルギー分析器」を国産化…英研究紙にも成果掲載
(参考記事:韓国光技術院「レーザーLEDヘッドランプを国産化…世界最高水準のビーム到達距離」
(参考記事:韓国企業が「高速鉄道用車軸ベアリング」の国産化目前 これまで日本などに全量輸入依存

© 合同会社WTS研究所