壱岐で初の盲導犬「見守って」 活動2カ月理解求める 芦辺の寺田さん

壱岐市で初の盲導犬ユーザーの寺田さんとハリー=壱岐市芦辺町、壱岐島開発総合センター前

 長崎県壱岐市で初めての盲導犬、ラブラドルレトリバーのハリー(雄、2歳10カ月)が、ユーザーの芦辺町の寺田克守さん(53)と生活を共にしている。関係者らは盲導犬に対する理解を深め、サポートをしてほしいと呼びかける。
 寺田さんは約8年前に視力を失った。10月初旬から福岡県糸島市の九州盲導犬協会で約3週間訓練。郷ノ浦町出身の同協会盲導犬訓練士、豊島めぐみさん(36)が現在、壱岐に滞在し指導に当たっている。
 同月下旬から島でハリーと生活している寺田さんは「散歩もするようになり、これまでと比べて行動範囲が広がった」と喜ぶ。排せつ物処理やトリミングなどを決まった時間にするため、規則正しい生活が送れるようになったという。
 豊島さんは、盲導犬との接し方について「ハーネス(胴輪)を付けているときは仕事中。声をかけたりしないで」と強調。盲導犬は道の左端を歩くよう訓練されており、ハーネスに気付かないドライバーから「警笛を鳴らされたり、大声を上げられたこともあった」と話した。
 また「身体障害者補助犬法」で受け入れ義務があるにも関わらず、一部の宿泊施設や飲食店などで入店を断られたことなどを説明。寺田さんは「盲導犬を温かく見守って。どこでもユーザーと共に受け入れてください」と声に力を込めた。

© 株式会社長崎新聞社