鳥インフル殺処分完了 江迎の養鶏場3万羽 長崎県職員ら800人動員

殺処分したニワトリの埋却作業を進める県職員ら=佐世保市江迎町(県提供)

 長崎県は23日、鳥インフルエンザが発生した佐世保市江迎町の養鶏場で飼育する約3万羽の殺処分を完了したと発表した。25日朝までに埋却と鶏舎の清掃・消毒を含めた防疫作業を終える予定。
 遺伝子検査による陽性確認を受け、22日午前7時に殺処分を開始。県と佐世保市の職員が3交代制で夜通し作業し、23日午前3時に完了した。同日午後3時までにのべ約800人を動員。埋却地の掘削作業は県建設業協会、職員の移動は県バス協会が協力した。県は当初、飼育数を2万7千羽と把握していたが、実際はさらに多かったという。
 綾香直芳県農林部長は同日、報道陣に現状を説明。「殺処分の目安としていた36時間以内を前倒しで完了できた。県や佐世保市の職員だけでなく、建設業協会やバス協会など皆さんの協力なしに円滑な作業には至らなかった」と述べた。
 現在、国が高病原性かどうかの確定作業を進めている。県によると、23日までに県内の他の養鶏場137戸から異常の報告はない。
 県は発生した養鶏場を中心に半径3キロを移動制限区域(佐世保、平戸、松浦3市の一部)、半径10キロを搬出制限区域(同3市と佐々町の一部)に設定し、ニワトリや卵の出荷などを制限。人が鶏肉や卵を食べて鳥インフルエンザに感染する可能性はないと呼びかけている。


© 株式会社長崎新聞社