長崎・下町に“ネオ観光案内所” 居留地の魅力、市民目線で

HUBs Ishibashiの外観

 長崎市の東山手・南山手地区を中心とした居留地エリアの魅力を市民目線で発信する拠点「HUBs Ishibashi」が12月17日、同市下町にオープンした。路面電車の石橋停留所近くのテナントに、地元の若者を中心とした有志グループが開設した“ネオ観光案内所”。観光案内だけでなく、来訪者と地域住民をつなぐ交流拠点としても活用する。
 同エリアは、幕末から明治期にかけて、外国人居留地ができ、伝統的な洋館が立ち並ぶ景観や異文化交流の歴史がある。グラバー園や大浦天主堂、孔子廟(びょう)など観光資源も豊富だが、地域の情報を発信する拠点が少ないといった課題が指摘されていた。
 電停近くのカフェが移転し、空き店舗ができたのをきっかけに、市内でまちづくりに取り組む岩本諭さん(32)らが活用に乗り出した。金、土、日、月曜の午前11時~午後8時にボランティアスタッフが常駐し、地元の住民ならではのきめ細かい観光案内や有料の荷物預かり、レンタサイクル、土産品販売などを担う。

HUBs Ishibashiを運営する有志メンバー=長崎市下町、HUBs Ishibashi

 酒類の販売免許も近く取得し、地酒や地ビールも扱う予定。年内にもクラウドファンディング(CF)を始め、当面の運営資金を調達する計画だ。岩本さんは「私たちがハブ(中核)となり、外から来る人と地元の人たちをつなぐ『関係案内所』にしたい」と話した。

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