清らかな美「院展」岡山会場開幕 創意凝らした58点

初日から日本画ファンらが続々と訪れた「院展」岡山会場

 新春を華やかに彩る「院展」岡山会場(日本美術院、山陽新聞社主催、岡山県、岡山市共催)が2日、岡山市北区表町、天満屋岡山店6階葦川(いせん)会館で開幕した。初日から日本画ファンらが続々と訪れ、清らかな美の競演を堪能した。

 近代日本美術の指導者岡倉天心らが1898年に創設した日本画の研究団体・日本美術院の公募展。天心亡き後、横山大観らが1914年に再興し、今回で107回目。会場には画壇をけん引する巨匠、郷土ゆかりの新鋭らが創意を凝らした58点が並ぶ。

 翼を大きく広げたワシに新年の清新な雰囲気が重なる同人・那波多目功一さんの「雄姿」、ウクライナの隣国、ポーランドの古都の情景に平和への祈りを込めた田渕俊夫同美術院理事長の「輝きの朝」などの大作が入場者を魅了。郷土勢も、海の女神と生命を象徴するシーラカンスを幻想的に描いた同人・井手康人さん(瀬戸内市)の「海乃神」などが目を引いていた。

 夫婦で訪れた真庭市の男性(78)は「美しい風景や花を描いた大作にほっこりした。新しい年をスタートするにあたり、すがすがしい気持ちになります」と話した。

 15日まで。無休。会期中は毎日、地元の茶道各流派による茶席が設けられる。

会場には画壇をけん引する巨匠、郷土ゆかりの新鋭らが創意を凝らした58点が並ぶ

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