「はたちのつどい」などに改称される成人式、福井県では全市町で20歳が対象 12市町で1月開催、5市町は雪影響避け3月

福井県内17市町の20歳対象行事
2022年1月に開かれた成人式で、久しぶりの再会を喜ぶマスク姿の新成人たち=福井県福井市のフェニックス・プラザ

 2023年1月9日は、成人年齢が18歳に引き下げられてから初めての「成人の日」。福井県教委のまとめなどによると、福井県内全17市町が従来通り記念行事の対象を20歳とする一方、名称は成人式から「はたちのつどい」などに変更する。1月開催が12市町に対し、雪の影響などを考慮した3月開催は、新たに福井市と永平寺町が移行し計5市町に拡大。県内の20歳の半数に当たる約4千人が3月に門出の日を迎える。

 県教委によると、2022年度内に20歳を迎える対象者は7776人(12月1日現在)で、福井市など3月開催の5市町で50.6%(3938人)を占める。

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 行事の名称は、17市町のうち16市町が「はたち(20歳、二十歳)のつどい」、越前市は「二十歳の式典」とした。同市の担当者は「厳粛に行いたいという意味を込めた。式典後は公民館単位で『地区のつどい』を開く」と話す。

 対象を20歳とした理由について、各市町の担当者から「高校3年生(18歳)を対象にすると、実行委員会の活動も含め、受験や就職試験と重なる」「進学や就職で地元を離れた人に『福井っていいな』とUターンを考えてもらう機会にしたい」などの声が聞かれた。「法律上、飲酒や喫煙が可能になる20歳に合わせるのが分かりやすい」との意見もあった。全国的にも18歳対象に行事を開く自治体はわずかとみられる。

 行事の開催日は12市町が3連休の中日に当たる1月8日とする一方、永平寺町は3月12日、福井市、坂井市、勝山市、池田町の4市町は3月19日に開く。

 福井市は、雪の影響を避けるのに加え、春休み中で学生が参加しやすい点も考慮し3月開催を決めたという。22年度に20歳になる市民らを対象にしたアンケートでも3月開催を支持する意見が多く、来年度以降も継続する予定。

 同市は成人年齢引き下げを受け、22年7月の参院選で投票用紙を発送した際、18歳の対象者に成人を祝う一文を添えた。2023年1月1日発行の市政広報誌では成人年齢引き下げを受け、22年度に18、19、20歳となる人のインタビューを掲載するという。

 嶺南6市町は全て1月開催を続ける。ある自治体の担当者は「嶺北に比べると雪の影響を受けにくい。正月の帰省に合わせて開催できる」と理由を話した。

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