白羽の矢放ち新型コロナ収束祈願 岡山・吉備津神社「矢立の神事」

空へ向けて弓を引き絞る射手

 岡山市北区吉備津の吉備津神社で3日、鬼退治伝説にちなみ白羽の矢で邪気を払う新春行事「矢立の神事」があり、参拝客らが新型コロナウイルスの収束や無病息災、家内安全を願った。

 藤井崇行宮司が、祭神・吉備津彦命(きびつひこのみこと)が矢を置いたとされる「矢置岩」に矢7本を並べて一年の平穏を祈願。侍と山伏に扮(ふん)し、片肌を脱いだ岡山県弓道連盟の射手6人が1本ずつ手に取り、弓につがえて力強く引き絞った。続けて「やー」のかけ声で四方の空へ向けて次々放つと、一直線に飛んでいった。残りの1本は本殿に奉納した。

 最前列で見ていた総社市、主婦(51)は「厳かな雰囲気に圧倒された。家族が健康で元気に過ごせれば」と話していた。

 吉備津彦命が鬼神「温羅(うら)」を弓矢で退治した伝説に由来し、毎年この日に行われている。

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