バルセロナ、この5年の「謎も多き冬の補強」10名…成功と失敗

この数年間は激動の時代を過ごしているバルセロナ。1月のマーケットでの補強が多いクラブの一つでもあった。

今回はその「バルセロナがこの5年間で行ってきた冬の補強」を10名振り返ってみよう。

ピエール=エメリク・オーバメヤング

シーズン:2022年

移籍金:フリー

アーセナルと突如契約解除となったオーバメヤング。いくつかの規律違反のあと、アルテタ監督との関係が悪化したこともあって退団し、そして2月にバルセロナへと加入することになった。

ただその半年後には1200万ユーロの移籍金でチェルシーへと加入し、あっという間にプレミアリーグへと戻っていった。

アダマ・トラオレ

シーズン:2022年

移籍金:ローン

かつてバルセロナの下部組織でプレーしていたアダマ・トラオレ。若くしてイングランドへと渡ったあと、細身のウイングであった彼の肉体は大きな変化を見せ、ムッキムキの重戦車になった。

加入直後はインパクトを与えたものの、シーズンが進むに連れてベンチに座る時間が長くなり、買取オプションが行使されることはなかった。

フェラン・トーレス

シーズン:2022年

移籍金:5500万ユーロ(およそ77.25億円)

バレンシアから2020年夏にマンチェスター・シティへと移籍していたフェラン・トーレス。バルセロナは2021年12月に契約をまとめ、獲得に成功した。怪我で前半戦を棒に振っていたなかで引き入れたということで、やや不安視される部分も。

絶対的なレギュラーというほどの立場にはなっていないものの、チャビ・エルナンデス監督の信頼を確保して一定の活躍を見せている。

ダニ・アウヴェス

シーズン:2022年

移籍金:フリー

かつてのバルセロナ黄金期に中心的なサイドバックとなっていたダニ・アウヴェス。一度チームを離れ、ユヴェントスやパリ・サンジェルマンでプレーし、そして欧州を離れて帰国。フラメンゴで10番を着け、トップ下でもプレーした。

しかし東京五輪を終えてからクラブと対立したことで契約解除となり、盟友でもあるチャビ・エルナンデス監督の誘いで短期間のみバルセロナへ復帰。人材難のなかで貴重な働きを見せ、精神的にもチームを支えた。

マルティン・ブレイスウェイト

シーズン:2020年

移籍金:1800万ユーロ(およそ25.28億円)

厳密に言えば1月のマーケットがすでに締め切られたあとの獲得であった。2020年2月、ウスマヌ・デンベレが長期の負傷を負ってしまったことにより、1800万ユーロの移籍金で急遽獲得された。

ファンにはなかなか愛されなかったものの、2020-21シーズンには29試合に出場するなどまちがいなく一定の働きは見せた。ただ移籍金ほどの価値があったかといえば…。

ケヴィン・プリンス・ボアテング

シーズン:2019年

移籍金:ローン

2019年1月の移籍マーケットでサッスオーロからの期限付き移籍で獲得されたガーナ代表MFケヴィン・プリンス・ボアテング。バルセロナの歴史上でもブレイスウェイトと並んで謎が深い移籍だとされる。

バルセロナでは4試合に出場したがインパクトを残すことはできず、買取オプションは行使されなかった。その後フィオレンティーナへと去っている。

ジェイソン・ムリージョ

シーズン:2019年

移籍金:ローン

チームに厚みを持たせるために獲得されたと言われるコロンビア代表センターバック。バレンシアから2500万ユーロの買い取りオプション付きで引き入れられた。

ただ、半年間での出場機会は公式戦全体でも4試合しかない状況で、バックアッパーという立場を崩すことはできなかった。バレンシアに返された後、サンプドリアに改めてローン移籍している。

ジャン=クレール・トディボ

シーズン:2019年

移籍金:100万ユーロ(およそ1.4億円)

非常に不思議な手続きが行われたトディボ。トゥールーズで若くしてブレイクしたが、契約更新を拒否したために満了まであと半年となっていた。そこでバルセロナは夏にフリーエージェントで獲得するための交渉をまとめた。

ところが1月末、バルセロナは即座に彼を獲得することにした、と発表。およそ100万ユーロを支払って「半年間の前倒し」をしたのだ。ところが半年間で5試合しかプレーせず、次のシーズンはシャルケに貸し出されている。

ジェリー・ミナ

シーズン:2018年

移籍金:1240万ユーロ(およそ17.42億円)

トディボと同じくやや謎が多い獲得だったジェリー・ミナであるが、しかしバルセロナには大きな経済的利益をもたらした。パウメイラスから2018年に1180万ユーロで獲得されたが、半年でわずか377分しかプレーせず。

だが2018年のワールドカップで3ゴールを決める活躍を見せたことにより、なんと半年後に3倍ほどの価格でエヴァートンへと売れたのだ。

フィリペ・コウチーニョ

シーズン:2018年

移籍金:1億3500万ユーロ(およそ189.61億円)

バルセロナが近年で最も失敗した補強の一つだと言われるコウチーニョ。この信じられないような額の移籍金はネイマールの売上を再投資したものだが、その後継者とはなり得なかった。

【写真】「バルセロナ、10年前の天才若手15名」。“有名ゲームで使えた”選手の今

バイエルンへ貸し出された際には、奇しくもチャンピオンズリーグでの古巣対戦で大活躍。バルセロナは2-8というスコアで敗れ、コウチーニョにもゴールを許した。そしてアストン・ヴィラに売ったときには2000万ユーロにしかならなかった。

© 株式会社ファッションニュース通信社